内容説明
瑞々しい感性の処女作「歌舞伎劇に関するある考察」から根源的な西洋文化研究へと向かった精神の軌跡。広い視野と深い洞察力をもって、生涯没頭したイタリア・ルネサンス研究。つねにものごとの根源に遡り、その視点は、躍動する人間の生と生活に向けられていた。西洋文化研究への貴重なチチェローネ。
目次
発見と発明との時代
文芸復興
三つの指環の話
『みやびなる宴』
『タイス』の饗宴
書籍の周囲
読書人のための書物の歴史
本のもう一つの世界
編集を終えて
編集長という椅子〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
masabi
7
【概要】イタリア・ルネサンス、三つの指輪の話に加えてエッセイを収録する。【感想】一番興味深かったのは三つの指輪の話だ。ユダヤ教徒に対し宗教の真理に関して悪意ある問いが投げかけられ、その返答に指輪の小話を以てするというもの。地域や時代によってユダヤ教の優越、信仰のみの諦観、相続と伝える教訓も変化し、レッシングの賢者ナータンにおいて最も洗練される。そこでは宗教争いの愚行を咎め、宗教は人間性の完成に必要な道具、過渡期に人を支える杖として信仰が置かれる。2022/04/10
goldius
0
スペインネタがガルシア・ロルカしかないのは脱力。2007/06/20