平凡社ライブラリー<br> 女たちの時間 - レズビアン短編小説集

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女たちの時間 - レズビアン短編小説集

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  • サイズ 文庫判/ページ数 384p/高さ 17cm
  • 商品コード 9784582762747
  • NDC分類 933
  • Cコード C0398

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

かわうそ

28
レズビアン小説の定義がかなり広めでピンとこない感じがあったんだけど解説を読んで納得。社会背景を踏まえて出版時の検閲を逃れるため直截的な表現を控えながら微妙なニュアンス・機微を醸し出すというテクニックが駆使されているわけですね。イサク・ディーネセン「空白のページ」、ヴァージニア・ウルフ「存在の瞬間」の2編がぶっちぎりで良かった。2015/08/30

miyu

26
ウルフの極々短い作品に触れたくて、この短篇集を手に取った。やはりとても好き。この忙しい年末に溺れそうなので長篇は読まずに我慢。他にもセアラ・オーン・ジュエットの2作品は、特に「マーサの愛しい女主人」がよかった。これをトップに据えた編者の作戦勝ちだと思う。カーソン・マッカラーズ「あんなふうに」も好みだ。この二人に関しては他の作品も読みたくなった。しかしどうにも翻訳が好みに合わず辟易した。原書との兼ね合いもあり意訳は無理なのかとも思うが、時おりイラッとくる気持ちを抑えられず、何度も途中で投げ出しそうになった。2014/12/10

藤月はな(灯れ松明の火)

23
ゲイ短編小説集の内に秘めつつも滲み出すようなセクシャリティの描写に対し、こちらは好意を押し出す感じが強いです。男嫌いだった小学生時代と生理不順の時に「女」扱いされて居心地が悪かった私にとって、「あんなふうに」は子供ならではの潔癖と「女」という枠組みへの嫌悪の描写に共感を覚えます。「ミス・オグルヴィの目覚め」には官能の予感にちょっとドキドキしてしまいました。2014/12/08

Koning

14
19世紀末~20世紀初頭の女性作家の作品集。解説でわかるがレズビアンという用語の定義をかなり拡大しているので、女同士の友情的内容も多く含まれ、それ以上に抑圧から開放されるとおもいきやまた抑圧されるという時代背景を良くあらわしているという感じ。そして、それぞれなんともいい話が集められているのがうれしい誤算。読後感は非常に満足だったりする。ゲイ短編小説集も企画されているようなので、そちらも探そうと思う。で、原著はPDになっているのが多そうなので、ちょっと探して見ようなんて思ってしまった(w 2012/12/15

vertigo

12
とても好きな作品もあればよくわからない作品もあったんだが、多くは胸を射抜かれるようなせつなさに満ちて。やはりこれは「愛すべき娘たち」のそばに置いておきたい。セアラ・オーン・ジュエットとウィラ・キャザーの作品は他も読んでみたいな。最初の1編「マーサの愛しい女主人」の幸福感はちょっとたまらなかった。異色といっていいほど幸福な作品。「ネリー・ディーンの歓び」も忘れ難い。主人公がある九月の午後の教室を思い出すシーンで泣きそうになった。誰より輝いていた、大好きだった女の子が退屈な世界に染められていくやるせなさ。2012/07/15

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