光人社NF文庫
二・二六事件の謎―昭和クーデターの内側

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 475p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784769827269
  • NDC分類 210.7
  • Cコード C0195

内容説明

統帥権を干犯した賊を排し、陸軍を維新せしめるという志をいだきながら、なぜ青年将校たちは自ら統帥権を踏みにじる行動を起こしたのか。皇道派の中心人物、真崎甚三郎大将や首謀将校らと実際に面会、捜査にあたった一憲兵が、その背後に連なる思想、人物にまで言及し、かずかずの疑問をはらんだ事件を読み解く。

目次

第1章 けっ起の謎(昭和クーデターの解けぬ謎;臆測を生むその背後関係;青年将校「一挙」思想の展望とけっ起の真意;無謀、無計画のけっ起か;身にしみついていた「改造法案」)
第2章 派閥抗争か粛軍か(軍の派閥;軍中央部における指導権争い;派閥抗争から粛軍へ)
第3章 けっ起行動における疑問(不法出動と統帥権の蹂躪;過大兵力の使用と殺戮の残虐性;けっ起における同志関係;青年将校運動)
第4章 事件鎮定における疑惑(怪奇、混迷の軍首脳部;皇道派巨頭の動き;説得案という大臣告示;警備隊への編入は謀略か;下達されなかった奉勅命令;叛乱か反乱か)
第5章 暗黒裁判(軍法会議の黒い影;北、西田は首魁だったのか;北、西田は首魁だったか;真崎大賞の無罪に疑いあり)

著者等紹介

大谷敬二郎[オオタニケイジロウ]
1897年、滋賀県に生まれる。1919年、陸軍士官学校卒。1930年、憲兵科に転科。1938年、東京憲兵隊特高課長、1944年、東京憲兵隊長、1945年、東部憲兵隊司令官を歴任する。1976年12月、歿(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おおとろ|内省的ストーリーテラー

7
☆☆☆2024/02/06

ポン・ザ・フラグメント

2
著者は元憲兵隊特高部。真崎甚三郎を有罪にできなかった無念さがこの本を書かせたものか。石原莞爾が事件当初から蹶起部隊討伐を主張していた理由がやはりカウンター・クーデターを狙っていたためだとわかって納得。きっと武力衝突から宮城警護へ、そして戒厳令から国会停止、強力内閣組閣して統制経済国家を成立させるといったシナリオを思いついたんだろう。しかし、この本、秩父宮には全くと言っていいほど触れていない。北一輝、真崎甚三郎、秩父宮は青年将校たちにとって特別なイコンであったと考えているのだが……。2013/03/06

kwmr_

1
元憲兵隊である著者が集めた事件当事者の調書がベース。それだけに当事者の心の内に深くまで追求されていると思う。初出が古いが、それだけに生の声が良く取り上げられていると思う。2012/04/10

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/4667433
  • ご注意事項

最近チェックした商品