内容説明
「哀切であることは誰でも撮れる、それが痛切であるかどうかだよ、オグリ」浦山桐郎監督のこの言葉を肝に銘じて映画を撮ってきた著者。『泥の河』から『伽〓子のために』までの30歳代を中心にした映画と自分史。
目次
許しのもとに
赤亀橋
あじさい
彼氏と彼女
枕低う
通俗を刺して
全国電化
カットの空白
ねじれ
部分と全体
動きの発端
きっちゃん〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
TOMYTOMY
1
見事なエッセイ。 実は全く観てない監督。2023/07/24
kentaro mori
1
⚫️哀切であることは誰でも撮れる、それが痛切であるかどうかだよ、オグリ。それだけを憶えておけ、あとはうんうん唸っていればなんとかなる。もの哀しいことと、身を切られるように痛いこと、私は肝に銘じた。2020/06/04
ra0_0in
1
シラーは世界との断絶を経験しない過去の作家たちが気軽に叙情へと浸るのを「ナイーブ」と呼んで、世界と自分との超え難い断絶に身を捩らねばならない現代の感性を「センチメンタル」と呼んだが、本書のタイトルにある「哀切と痛切」はまさにその違いを表現している。私はこの「痛切」を知る者だけが芸術家足りうると思っている。本書は雑駁なエッセイ集といった感じだが、著者自らがその痛切へと至ったプロセスを移す鏡のような作品ともなっている。特に、幼少期の心象風景や父母との関係をめぐる考察は、美しい文章とも相まって大変素晴らしい。2016/09/17
こじこ
0
文体が好き2023/07/14
-
- 和書
- 残酷な嘘 扶桑社ロマンス