内容説明
幼くして芸者に売られ、戦中戦後の混乱期を生き抜いた女性の数奇な半生。一見華やかな芸者という職業の陰に隠された近代民衆の苛酷な生と、そこに息づく力強い魂の姿が今鮮やかに浮かびあがる。
目次
1 おびえる捨犬
2 黒い仕込っ子
3 お低の知恵
4 籠の鳥
5 愛のめざめ
6 さすらいの旅
7 弟を夢に
8 絶望の淵
9 生きゆく道
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
圓子
4
じつは再読。高校生のころ、市立図書館で借りた本。うすぼんやりそうかなーと期待を込めて古書店で注文したら、やっぱりそうだった。打ちのめされるようなできごとが重なる人というのがいるのだろうか。それともこのころは日本中がまあこんなもん、だったのだろうか。いまひとつ実感としてはつかめていない。ともかく、打たれたときにそれでも生きられる人間とそうでない人間がいるその差はなんなのか。生きられる人間が全部背負わなくてはならないのか。なんていうこれはペンが勝手に走っている。前向きとは言わないまでも、もっとフラットな気持ち2021/10/18
freebird
2
書評的な、戦前の諏訪出身女性の悲惨な生涯と読めるし、「極東ブログ」にある様な逆境をものともしない女性の痛快な生き方とも読める。この本が生まれる切っ掛けが、女性の手記募集に筆者が自ら応募するような強い意志を持った女性だったからこそ、後者の様な一種ピカレスクロマン的な読み物になったんだろう。その陰には何万もの声を上げられず逝ってしまった女性が居ることを思うととても戦前礼賛は出来ないな。 しかし、絶版がAmazonオンデマンドペーパーバックで読めるとは良い時代になったもんだ。2014/07/24
aiko
0
外国人の友人から逆輸入。真の強さ、誠実さ。今を生きる日本人に薦めたい。
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