出版社内容情報
千二百ページを超える大冊の中で、ペラギウスのものは、わずか五十ページだが、日本語で読めるペラギウスのものは、これがはじめてである。ペラギウスは、初期キリスト教会を確立した教父、アウグスチヌス最大の論争相手で、カルタゴ教会会議で異端とされ、破門されたため、その文献もほとんど伝わっていない.....。(立花隆『ぼくが読んだ面白い本・ダメな本 そしてぼくの大量読書術・驚異の速読術』 281頁、より)
内容説明
西方キリスト教の精神的基盤。概念的信仰理解と実戦的修道という二重の要請は、いかにして総合されたか。思弁的神論の代表作のみならず、祈り・秘術・修行などに関する貴重な証言を収めて、2世紀から5世紀に至るラテン教父思想の形成を跡づける大著。
目次
洗礼について(テルトゥリアヌス)
魂の証言について(テルトゥリアヌス)
殉教者たちへ(テルトゥリアヌス)
貞操の賜物について(ノウァティアヌス)
主の祈りについて(キュプリアヌス)
カトリック教会の一致について(キュプリアヌス)
背教者について(キュプリアヌス)
善行と施しについて(キュプリアヌス)
死を免れないことについて(キュプリアヌス)
神の怒りについて(ラクタンティウス)〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
7
ギリシア教父がペロポネソス半島、北アフリカ、小アジア、パレスティナの広範囲で活動したのに対し、ラテン教父はローマと北アフリカ、特にカルタゴの狭い範囲で活動した。ギリシア教父が位格πρόσωπονを議論する中、ギリシア語で表現し難い個の概念をラテン語personaと訳したカルタゴのテルトゥリアヌスは、本質存在の「一性」と位格の「三性」という独自の区分を唱え、キリスト教が迫害される2-3世紀に、グノーシス主義、ユダヤ教、ヘレニズム的合理性を排しつつ、その後続くラテン教父たちの厳格な規範となる(26編を収録)。2019/05/20
ヨナキウサギ
0
本邦初訳・改訳。
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