出版社内容情報
生まれ育った色街・玉の井を舞台にした漫画『寺島町奇譚』など、裏通りの庶民の日常を情感豊かに描いた珠玉の作品の数々を収録。
目次
1 愛しきわが町・玉の井
2 寺島町奇譚
3 やさしいおねえさんたち
4 四季と風景
5 デビューの頃
6 泥鰌庵閑話
7 遺された日記
8 劇場シリーズ
9 多才な人気者
著者等紹介
松本品子[マツモトシナコ]
1971年、東京都生まれ。弥生美術館学芸員。女子美術大学芸術学部芸術学科卒業。1996年より現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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bura
70
『ぬけられます』…漫画「寺島町奇譚」の滝田ゆうが描く玉の井の風景はすべて記憶だけで描かれていたという。だから読む側もその思い出の中に入り込んでいつまでもこのラビリンスの中を彷徨って居られるのだろう。この本は「寺島町奇譚」の原画や、下町の当時の風俗が綿密に書き込まれたイラスト、デビュー間もない頃の習作や資料などが掲載された貴重な一冊。久々に出逢った滝田ゆうの世界をじっくり味わえました。2023/06/19
コットン
66
『濹東綺譚』でも舞台となった玉の井を下町の子供目線で綴った『寺島町奇譚』の漫画など楽しい滝田ゆうの世界のムック本。家族のコメントが特に面白い。2021/02/17
剛腕伝説
13
ユニークな文章とイラストで昭和の東京下町を描いている。滝田ゆうの画は女給、風呂上がりの女性、喫煙の女が良く似合う。滝田ゆうの子供の頃寺島町界隈では「げんまいパンのほやほや🎶」と歌ってパン屋が売りに来たらしいが、亡くなった私の兄が子供の頃大阪では「ロバのパン屋でございまーす🎶」とパン屋が売りに来たらしい。妻の話では20年前位までは、我が家の近くにも「ララララララー🎶」と第3の男のテーマ音楽を流し、トラックでパン屋が売りに来ていたらしい。パン屋と下町は切っても切れない関係なのだ。2024/03/19
moonanddai
8
滝田さんの貸本時代からの絵が見れました。絵のほうが圧倒的に多いので、すぐに読み切れるかなと思ったのですが、出てくる絵の「原典(?)」を、どうしても「読みなし読み直し」するもんですから、大変時間がかかりましたW。まあ何度でも読みたい作者なんですね。それにしても、若いころ、結構ハンサムだったんですねW。2019/04/06
犬養三千代
5
あーしみじみ良かった。好きな漫画家さん。2020/08/25