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出版社内容情報
20世紀を代表する独裁的支配者、スターリン、ヒトラー、毛沢東の3人が行った宣伝とプロパガンダのデザインを紹介。独裁のなんたるかを知るための最良のテキスト。図版多数。
内容説明
デザインに罪はない。ただし、「過剰」な「繰り返し」には要注意。「国民の承認」の名のもとに既成事実化するヒトラー/ナチ・ポスターを描いたイラストレーターたち/政治を演劇化するファシズム/ロシア・アヴァンギャルドの凋落/『毛沢東語録』と腕章、バッジ。
目次
1 呪力のある視線
2 燃える視線
3 拒否する視線
4 遠望する視線
5 反復する視線
6 記憶する視線
付録 ナチ・ポスターを描いたイラストレーターたち
著者等紹介
松田行正[マツダユキマサ]
1948年静岡県生まれ。中央大学法学部卒業。グラフィック・デザイナー。デザインの歴史探偵。「オブジェとしての本」を掲げるミニ出版社、牛若丸主宰。『眼の冒険』(紀伊國屋書店)で第37回講談社出版文化賞ブックデザイン賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
73
著者には『RED』というナチスのデザインに特化した名著がある。本書はその流れを汲み、その範囲をヒトラーのみならず、ムッソリーニやスターリン、毛沢東という独裁者全般まで拡大した一冊。とはいえデザイン性宣伝性についてはナチスが卓越しているので、残りの三人特にムッソリーニについては影が薄くなっている。現に本書の大部分はやはりナチスについてだしね。とはいえ党内抗争で権力を握ったスターリンや毛沢東についてもわずかな手掛かりを元にその意図を明らかにする部分は読みごたえがある。個人的には文革に関する部分が面白いかな。2021/11/13
マエダ
73
本書はヒトラーを筆頭にムッソリーニ、スターリン、毛沢東らがプロパガンダを駆使してどのように大衆を魅了したのかをデザインの視点から見直そうとしている。「デザイン」とは一方で人の心を奮わせ元気にし、他方で魂胆を隠し綺麗事に見せつつ人を傷つけることもできる。興味深い1冊であった。2020/02/19
ま
32
あの手この手で人身収攬を試みる独裁者たち。デザインにもさまざまな工夫が見られる。通底するテーマとして「視線」を持ち出してはいるがややまとまりに欠ける印象。写真や図は豊富で面白いので、図鑑として出した方が良かったのではとも思ってしまう。装丁が秀逸で、部屋に置いておきたい一冊。2022/05/28
くさてる
26
独裁国家における、ポスター、チラシ、建築のデザイン。プロパガンダとして利用されてきたそれを解説した内容。著者の語り口は広いけれど、そのぶんまとまりにかけるかもしれない。でも、それが確固としたかたちを持たない人の意思の表れとしてのプロパガンダを語るためには有効な方法かもと思った。2020/02/16
パトラッシュ
15
血統でなく実力で権力を握った独裁者は民衆を抑圧し自分を支持させるためプロパガンダを駆使する。20世紀の四大独裁者ヒトラー、ムッソリーニ、スターリン、毛沢東がいかに自らの支配者のイメージを作り上げていったかを、宣伝のデザインから分析していく。掲載写真には見覚えのあるものも多いが、それらがどのように形成されシンボルである四人の視線、微笑、凡庸さなどが様々に加工されたり、美術家やデザイナーなどの才能を使って歴史上のアイコンとなるまでに広まったかを紐解く過程は実にスリリングだ。政治家志望者は読んでおいて損はない。2019/10/30
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