内容説明
疾駆するメディア・アクティビストと「知」の怪人が語り合った、いま「この時代」を活き活きとサヴァイブしていく方法とは―。
目次
1 「やってみること」の大切さ(代ゼミ池袋校の記憶;18歳の津田大介が出会った「無邪気な天才」 ほか)
2 Calling―聞こえたら動き出す(震災で感じた「calling」;行動の源泉は「忸怩たる思い」 ほか)
3 道なき道を行け(「ゼゼヒヒ」の是々非々;つねにフロンティアを行くのはなぜか? ほか)
4 越境する勇気をもとう(受け身の大切さ;ツイッターはなぜ荒れるか? ほか)
著者等紹介
西きょうじ[ニシキョウジ]
1963年東京都生まれ。京都大学英文学科卒業後、劇団青年座研究室入所を経て87年に偶然代々木ゼミナールの英語講師となる。2015年より東進ハイスクールに移籍
津田大介[ツダダイスケ]
1973年東京都生まれ。ジャーナリスト、メディア・アクティビスト。早稲田大学社会科学部卒業。大学在学中よりIT・ネットサービスやネットカルチャーに関する原稿を新聞、雑誌など多数の媒体に執筆。「ポリタス」編集長。大阪経済大学客員教授。京都造形大学客員教授。一般社団法人インターネットユーザー協会(MIAU)代表理事。2006年から08年まで文化審議会著作権分科会の専門委員を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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おさむ
42
代ゼミ時代に西さんの講義を受けていた津田さん、授業の内容よりも雑談の方が記憶に残っているそうだ。この対談も本筋より脱線話が俄然面白い。都会の人たちは呼吸が浅いまま人と付き合っている。オフラインにして呼吸を深くする時間を作った方がいい。想像力を持って現実と向き合う。遠くを見る目と足元を見る目、両方を常に持てるようにする。時々の自己満足が最高の目標であり、自己満足を客観視しつつそのレベルを徐々に上げていく事が最善の道。いまここを充実させることはブッダの頃からの教訓。複数の自己を想定する。箴言が豊富でした。2017/09/18
しーふぉ
22
代ゼミの講師だった西きょうじさんとその学生で今はネットを中心にメディアで活躍する対談。大学生の時に読んだら影響を受けたかも。若者に生き方を上から言うのではなく、こうでもいいのではと提言する内容が多かった。2016/07/30
たかやん
21
かつては予備校講師と生徒、という間柄だった西きょうじ氏と津田大介氏の対談本。話題は多岐にわたり、まとめるには力不足。それでも、若者とくに「情報弱者」という言葉に引っかかる人向けだった印象。メディアやネットについてが多かったように思えただけに、終盤の「本」の話題が面白い。以下西きょうじ氏の箴言「(本は)時間の変化と自分の変化を自分のペースでリアルに感じとりやすい」「(ネットが断片的に見えるのとは対照的に)グロスで重層的にひとつのものが入ってくる感覚」p2682018/01/25
onasu
20
ここで言う「越境」とは、他者と接触すること。人に限らず少しでも興味があれば、馴染みのないものでも接点を持ってみる。そうして他者を知ることで己が変わり、そういう人やそういう人に接する機会が増えれば、世の中も変わっていく。 そう語り合うのは、20年前、予備校の講師と生徒という間柄だったふたり。SNSで昔の知己に再会するのは珍しくないが、本まで出すのは! 課題に接した折、今の状態では駄目だ、て判を下すんじゃなく、変われることも含めて対処法を考えてみる。色んな本を読むのも、他者と接する越境のひとつだそうだ。2015/12/08
ポン・ザ・フラグメント
4
浸透性の高いボーダーを出ていくものとそこから入ってくるもの。ボーダーの内側で「分人」的に生成されるモジュール化した自己は、しなやかなボーダーによってゆるやかに統合される。語られている越境とは〈ここ〉からいなくなることではなくて、ボーダーの外へ浸み出していく感じだろうか。ただ、この国には他者との間に太い線を引いて、かりそめにすぎない内部を頑なに守ろうとする人たちがいる。「アイデンティティ」ということばの呪縛のようなものがあるのかもしれない。求められているのはフレキシブルなアイデンティティということなのか。2015/06/22