呪術的世界―歴史主義的民族学のために

  • ポイントキャンペーン

呪術的世界―歴史主義的民族学のために

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 244,/高さ 20X14cm
  • 商品コード 9784582522044
  • NDC分類 389

内容説明

歴史家ギンズブルグを魔術裁判研究へといざない、決定的な示唆をあたえた古典的呪術論。また本書は、第二次世界大戦という破局的情況のなかで産み出された〈極限的自省〉の書である。

目次

第1節 問題の所在―呪術的世界における実存のドラマ
第2節 もうひとりの自我の創出
第3節 霊たちとの交流
第4節 トランス状態を惹起するためのテクニックとその意義
第5節 集団的救済ドラマとしての呪術
第6節 アルンタ族の場合
第7節 魔法
第8節 模倣
第9節 力
第10節 世界の喪失と取り戻し
第11節 超常的現実と自然科学者の現実
第12節 実在のングエル的次元
第13節 呪術はトリックか
第14節 精神病と呪術的世界
第15節 結び―呪術的世界と歴史的理性の任務

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

てれまこし

9
師クローチェの理論をグラムシなどの影響を経ながら批判的に継承した民族学者が向かったのは、クローチェの理想主義では歴史の範疇外にはみでてしまう呪術の世界。だが彼は環境に同化される危険のある「私はここにある」という現在意識(ハイデガーの現存在とほぼ同義)の救済というドラマを呪術に見出す。その意味で呪術的世界は文化の歴史という人類史の第一歩。これは「未開」を現代から切り離して類型学的に捉える既存の非歴史的民族学に対する批判でもある。歴史化された民族学は時間的他者を介して(西洋)文明に埋没した自己に光を当てる。2022/11/06

∃.狂茶党

1
本書は「呪術的世界ー呪術知の歴史のための序論」(1948)から、序文および第二章「呪術的世界の歴史的ドラマ」のみで単行本化(1988)されたものである、訳者あとがきも力の入ったもので、優れた著作であると断言したいのだが、未訳の第一章第三章ならびに、批評に応える第二版の付記も必要であろう。完訳版が待たれる。「民俗学はヨーロッパ中心でしかありえない」 2015/01/31

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/611260
  • ご注意事項