摂政九条兼実の乱世―『玉葉』をよむ

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  • サイズ A5判/ページ数 326p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784582469110
  • NDC分類 210.42
  • Cコード C0021

出版社内容情報

平家物語の描く時代を摂関家の政治の最終走者として生きた九条兼実。その膨大な日記『玉葉』を読み通し、乱世の政治の本体を捉える。

長崎 浩[ナガサキ ヒロシ]
著・文・その他

内容説明

摂関家の政治の最終走者として、後白河院、平清盛、源頼朝の間で生き、膨大な日記を残した兼実。そこに記された事細かな儀礼の次第に、公卿たちの会議、院との折衝、武家や大衆の乱逆に、洩らされる感慨に、なによりその敗北と不能に、乱世とその政治を読む。『玉葉』がこれほど面白いとは!

目次

第1章 青年右大臣―政治家デビュー
第2章 摂関政治の理念―二頭政治の狭間で
第3章 朝務を演じる―官奏・陣定・除目
第4章 大衆蜂起―朝廷の「外部」に直面する
第5章 乱世の至り―クーデタ・遷都・南都焼亡
第6章 葬送の年―漂流する兼実
第7章 京中周章―平氏・義仲・義経
第8章 摂政への道―社稷に身命を惜しまず
第9章 摂政兼実―政を淳素に返す
第10章 危うい均衡―行き違う「天下草創」
第11章 兼実最後の政治―摂〓(ろく)の臣を演ずる

著者等紹介

長崎浩[ナガサキヒロシ]
1937年生まれ。東京大学理学部卒業。東京大学物性研究所、東北大学医学部、東京都老人総合研究所、東北文化学園大学に勤務。評論家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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はるわか

17
玉葉、平安末期の摂政関白九条兼実の日記。乱世の中の朝廷社会、武者の世の成立。保元の乱、平治の乱、南都北嶺の寺社権門の強訴、大衆蜂起、飢饉と群盗、大地震と大火、上皇後白河と平清盛の暗闘、清盛のクーデター・院政崩壊、福原遷都、木曽義仲の京都乱入と平家の都落ち、義経の栄光と没落、頼朝による天下草創。資質のうえでまるで動乱向きでない兼実が乱世の朝廷政治のトップに押し上げ仕立て上げられる様。天皇と臣による朝務・朝廷儀式こそ摂関政治の栄光と秩序の具現化という理念に固執。院と武門の双方から距離をとる姿勢。関白罷免と没落2018/05/09

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