出版社内容情報
徳川家康の遺品である、世界的に希少・貴重な日本最古の時計。それが渡来した江戸初期の日本と西欧諸国の交流から見えてくる、知られざる「国際人・徳川家康」の姿を描き出す。
内容説明
日本最古の西洋時計をめぐる、西欧列強と日本の驚くべき交流史。
目次
1 四百年前の外交史を語る証拠
2 「国宝」としての価値とは?
3 エバロの時計はスペイン国宝
4 大英博物館との交渉始まる
5 国宝の“夢”、砕かれる
6 英国と日本の深い関係
7 国宝指定を目指して
8 大英博物館の扉が開く
9 大英博物館による調査
10 時計に秘められた歴史の謎
11 「家康公の時計」を国宝に
著者等紹介
落合偉洲[オチアイヒデクニ]
久能山東照宮宮司、久能山東照宮博物館館長。昭和22年(1947)宮崎県生まれ。カソリック系の日向学院から國學院大學、國學院大學大学院を経て神社本庁で総務部長、渉外部長などを歴任した。平成14年(2002)3月から現職。全国国宝重要文化財所有者連盟理事長を務めている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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榊原 香織
51
この間講演会聴いたので(現在、名誉宮司) 時計を国宝に、とずっと運動なさってるけど、今もなってません。 国産品じゃないとハードル高い?2023/09/10
ようはん
23
スペイン王から家康に送られた洋式の機械時計が久能山東照宮に現存しており、久能山東照宮の宮司である著者が時計を国宝とする活動内容がメイン。時計自体はヨーロッパからの視点でもかなり貴重な物である事が分かったが、国宝認定まで至らなかったのは色々と複雑な事情がありもどかしい。2023/01/17
みなみ
3
400年前にスペイン国王から徳川家康に贈られた時計が久能山東照宮にあり、それを国宝にしようとするプロジェクト。手探りで試行錯誤してみて、大英博物館の鑑定を受けるにいたるも、彼我の文化財修復に関するスタンスの違いに愕然とした。日本には伝統が…と声高らかに喧伝しつつ、文化財の継承に関しては不毛の地だと思わざるを得ない。いわゆる専門書ではないので語り口はやわらかでとても読みやすく面白かった。スペイン(カソリック)とオランダやイギリス(プロテスタント)のスタンスの違いをきちんと理解していた家康はやはり慧眼なのだ。2015/03/14
みるこおら
1
家康の時計を国宝にするためのプロジェクトにからめて、ヨーロッパにおける古い道具に対する扱い、家康時代のスペインとの交流、キリスト教禁止、鎖国にいたる時代背景、家康のキリスト教に対する理解・・・いろいろな方面に話が広がって興味深かった。2015/04/03
ケンチャン
1
スペイン国王から家康に送られた時計にまつわる話。久能山東照宮の宮司である著者が国宝化に向けて努力した取り組みが書かれている。私が知らなかったキリスト教禁教の理由が書かれていて面白かった。国宝認定がされることを願う。2014/04/16