図説 台湾の歴史 (増補版)

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  • サイズ A5判/ページ数 273p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784582411096
  • NDC分類 222.4
  • Cコード C0022

出版社内容情報

台湾で10万部以上読まれた、台湾出版史上最大のベストセラーの増補版。日本統治期の台湾の政治と文化を補い、日本と台湾との歴史的関係がさらに深く理解できる。

内容説明

台湾の歴史を、中国漢人史の一部ではなく、先住民も含めた多様な民族からなる台湾人の歴史として描き上げた。多彩な図版を掲載し、歴史を固定的で単線的な物語ではなく、現在に想起すべき多様な記憶の場として再現することに成功した。台湾初版未収録の「戦後篇」に加え、日本統治時代の台湾の政治・文化運動も増補し、日本統治と東アジア現代史の連関について、さらに深く一貫した視座を可能にした。親しみやすい文体によって、台湾でのロング・ベストセラー、東アジア出版人会議編「東アジア人文書100」に選定されるなど、東アジアのスタンダードな歴史書としての地位を獲得した。「知識人の反植民地運動」「台湾人の芸術世界」を増補し、台湾と日本の関係をさらに広く深く省察。

目次

本篇 先史時代~1945年(誰の歴史か?;先史時代の台湾;先住民とオーストロネシア語族;「美麗島」の出現;漢人の故郷と移民開墾社会;漢人と先住民の関係;日本統治時代―天子が代わった;二大抗日事件;植民地化と近代化;知識人の反植民地運動;台湾人の芸術世界;戦争下の台湾)
戦後篇 ポストコロニアルの泥沼(二・二八事件;「白色テロ」の時代;党国教育;民主化、歴史記憶、私たちの道のり)

著者等紹介

周婉窈[シュウエンヨウ]
1956年台湾嘉義県生まれ。国立台湾大学歴史学科で学士号(1978)、修士号(1981)を取得後、アメリカ・イェール大学で博士号(1991)を取得。1994年に台湾に戻り、中央研究院台湾史研究所副研究員に就任、研究員・教授を経て、2006年より国立台湾大学歴史学科教授。日本植民地統治期の研究を中心に、清代女性史、明清代の台湾史についても研究

濱島敦俊[ハマシマアツトシ]
1937年生まれ。東京大学東洋文化研究所助手、高知大学、北海道大学を経て、大阪大学大学院教授を2001年3月定年退官、同名誉教授。同年4月から、台湾国立曁南国際大学歴史系教授。専門は中国近世史

石川豪[イシカワタケシ]
1972年生まれ。2005年国立台湾大学大学院修士課程修了

中西美貴[ナカニシミキ]
1975年生まれ。2003年国立台湾大学大学院修士課程修了、2005年より京都大学人間・環境学研究科博士課程を経て、上智大学大学院グローバル・スタディーズ研究科客員研究員

中村平[ナカムラタイラ]
1973年生まれ。2001年、台湾大学大学院人類学部修士課程修了、2007年博士(文学、大阪大学)、韓国漢陽大学国際文化学部助教授などを経て、2012年より神戸女子大学文学部助教。専門は人類学・日本学・脱植民化など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

紅井流星

5
台湾人が書いた台湾の歴史本である。台湾でも本省人と外省人とで大きく歴史が違ってしまう。本省人は日本統治時代と日本人を善と思うが、外省人は日中戦争を戦った人たちなので、日本人を悪と考える。筆者がどちらなのかはわからない。戦後編で2.28事件・白色テロのことも書かれているが、台湾人ならもっと自国の近代史なのだから掘り下げて研究する必要があるだろう。2018/10/03

nori

5
Fund to read it for me. If there are 2 points added, it should be better; 1. Similarity between aborigine and Filipinos and how it has been influenced ethnic Chinese. 2. Certain part of 本省人 supports 国民党 which killed a lot of them and betrayed 反共 policy.2017/03/26

中将(予備役)

4
教科書よりは情熱的な文体で書かれた台湾の通史。誰の視点からの歴史なのかを繰り返し問うていて、台湾が抱える問題を感じさせる。簡潔で写真も多く、読みやすい。特に本篇9章の植民地化と近代化や同10章の清から日本への割譲が台湾のアイデンティティを形成したとの指摘は興味深かった。2021/09/22

Haruka Fukuhara

4
台湾人としての視点で貫かれている点、豊富な写真で印象に残りやすい点などいい本だと思った。その一方で、漢人、オランダ、日本に対して、たしかに皆台湾の人々からすれば支配を受け不利益を被ったのかもしれないが、被害者意識が前面に出過ぎているように感じた。そうした支配への反発が民族主義の現れで好ましいものとして描かれ、反対に支配に協力した人々への目線は厳しいが、やや図式的過ぎる気がする。思惑はどうあれ、安易に暴力などに訴えるのは不毛だし支配に協力しつつ民族の誇りを護るやり方もあると思う。2017/03/20

rubeluso

3
ちょっと前に買っていたのをこの機会に一気に読み通し。 著者の問題提起として「(今後の台湾に関して)内部分裂と先鋭化するアイデンティティとエスニシティの問題をどのようにして理解することが出来るだろうか」と述べられる通り、清朝、日本、国民党といった政治領域における上部の変化に対する、民族集団的な下部のリアクションに本書の主眼は注がれていると思う。その分経済領域の歴史叙述はほとんど無かった。 台湾の歴史について日本人は知らないことが多いので、この機会にこういう本が広まればいいなあとは思った2014/03/26

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