内容説明
日本語は複数の異言語の混淆・融合になる。たとえば、クフ・ヲス・ハム(食)といった同義異音語のおびただしい存在は、「五月蝿(さばえ)なす」多元的な声の重層する古層日本語の世界を証している―記紀万葉や伝承歌謡など古代言語資料を精細に読み解き、単一民族・単一言語神話の対極から古層日本語の生成に迫る。
目次
1 神話記号にみる融合構造(「わたつみ」「さいはら」の母声伝承;「葦原中国」語彙の伝承;スメロキ(木神)たちの「言向け」と統辞)
2 声による伝承の古層(音の共感と擬声;さいばら言葉の京ぶり;稲作語源誌;古代語の中の“むし”;古代光感覚と声の構造;万葉歌語の「タマ‐」の世界)
著者等紹介
木村紀子[キムラノリコ]
1943年生まれ。愛媛県松山市出身。現職は奈良大学教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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