内容説明
文学と美術の接点から中世イスラムの表象を解く。ものを見る眼の確かさとテキストの精緻な読みから生れた注目すべき労作。
目次
1 美術品としての科学器械(アストロラーベ;コンパス)
2 絵画表現の伝統(浴場の壁画;酒杯の絵柄)
3 装飾物への眼差し(絨毬;噴水)
感想・レビュー
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つだしょ
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1)アラブ・ペルシア文化、イスラム美術のある程度の知識と興味を持つ人が対象。詩人の名前をきいてもほとんど知らないか馴染みも思い入れもないが、著者の試み「文学と美術の相互交流」を研究し[p7]「文学作品を通して美術を眺める」[p7]ことで、「文学作品中の美術の表象という新しい研究領域を付け加え」る[p409]熱はダイレクトに伝わってくる。執筆中は現地に行くことができず、撮影した昔の写真や図録、美術全集を見直しながら[p414]の作業だったというから、肘掛け椅子の研究の印象もあるかもしれない。2013/05/08