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内容説明
銀地の薄明のなか、はげしい風雨に翻弄される草花たち。観るものを言い知れぬ不安に誘うこの酒井抱一の絵は、実は尾形光琳の金屏風「風神雷神図」の裏絵として描かれたものであった。金に対する銀、天の神々に対する地の草花。抱一が裏絵に込めたメッセージは何だったのか。日本文化史に底流する「銀」の系譜を探り、隠された花の意味を読み解き、俳譜の付け合いにも似た表裏の転換の趣向を分析して、作品の核心に迫る。
目次
序章 失われた趣向
1 天の神の系譜
2 地の草花への変貌
3 王朝の銀と草花
4 銀屏風への道
5 広がりゆく江戸の銀空間
6 秘めた花の意味
終章 ノスタルジアの水脈―日本絵画における銀