出版社内容情報
日本の歴史と文化のあり方を再認識し、「アジアは一つ Asia is one」というメッセージを世界に発信した岡倉天心『東洋の理想』。その新訳により、岡倉が伝えたかった美術思想をひもとく。
内容説明
“Asia is one”―アジアは一つである。その真意とは?1903年、岡倉天心(本名は覚三)が英語で執筆した『東洋の理想』は、「アジアは一つである」という冒頭句によって広く世界に知られた。その後、日本では大東亜共栄主義のプロパガンダにも利用されたが、執筆時の時代背景や岡倉の美術思想を丁寧にたどれば、そこに誤解があったことは明らかである。新たに翻訳を試みた『東洋の理想』から、岡倉の美術思想の真意をひもとく。
目次
第1部 新訳 東洋の理想(理想の範囲;日本の原始芸術;儒教 北方中国;老荘思想と道教 南方中国;仏教とインド芸術 ほか)
第2部 「東洋の理想」でひもとく岡倉天心の美術思想(『東洋の理想』を読むための準備;「明治時代」前半;「明治時代」後半;日本美術史;近世の日本美術 ほか)
著者等紹介
岡倉覚三[オカクラカクゾウ]
1863年横浜生まれ、1913年没。明治時代の美術界の指導者、思想家。本名は覚三、天心は号の一つ。東京大学卒業後文部省に入り、美術行政に携わる。1890年東京美術学校(現・東京藝術大学)校長に就任。1898年同校を辞職した後、橋本雅邦や菱田春草、横山大観らと日本美術院を創立、新日本画運動を展開。1904年以降ボストン美術館東洋部長を兼任。『東洋の理想』『茶の本』などを英文で刊行
古田亮[フルタリョウ]
1964年東京生まれ。東京国立博物館、東京国立近代美術館を経て、東京藝術大学大学美術館教授。2004年「琳派RIMPA」展、2006年「揺らぐ近代」展(倫雅美術奨励賞)、2021年「渡辺省亭」展など、数多くの展覧会を担当。2010年、『俵屋宗達』(平凡社新書)でサントリー学芸賞を受賞
芹生春菜[セリウハルナ]
1969年大阪生まれ。東京藝術大学大学美術館等を経て、現在同大美術学部近現代美術史・大学史研究センター(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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