感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
evifrei
8
資料集。解説が非常に解りやすい。タントラとは古代インドの信仰を意味するが、一定の宗教とは異なることからいずれの宗教でも両立可能なため、現在の宗教体系でもタントラの思想を取り入れているものがある。また、女性主義を掲げる信仰は体系的には最古層にあたるそうだ。内容としては性に重きを置いた実践重視型の古代思想である。西洋思想をスタンダードにした多くの現代人には衝撃的な(引く)内容になっている。カーストの最底辺の女性を伝導師に据え死体の前で性感魔術の求道を行う信徒たちは、古代インド人にも衝撃的なものだったらしい。2019/12/28
kanaoka 57
5
妖艶な性のエクタスシーとヒンドゥー的精神世界を堪能できる。 スピリチュアルな観念と象徴、肉体的官能、身体感覚の全ての要素(エネルギー )を突き詰めた先にある究極の何か、原初的な創造の源(振動)に到達しようとする内省的な精神欲求の力強さを感じる。 このような世界がインドで花開いていた時代があったことに感動を覚えてしまう。2024/02/15
momen
1
かなり昔の本だが、宗教解説として非常に興味深い内容。肉食や性行為を抑圧したり汚らわしいものするのではなく、悟りに至るためのエネルギーとしてポジティブに捉え積極的に使うという姿勢は一見前衛的。しかしそもそも食や性は人間の本能に根差している重要なことであり、生物として完全に抑圧するべきものではないし、肯定的にコントロールすべきものであると感じた。人間の在り方の根本を突いている信仰だと思う。宗教論だけでなく、現代の教育などにも通じるところがある。実際の宗教芸術も多数掲載されている。
takao
0
ふむ2025/05/08