内容説明
硯齢一千年にも及ぶ宋代硯との出会いにより、強烈な衝撃を受けた著者が、終生古硯の世界にかかわり六十有余年。古硯の中でもとくに、この度紹介する宋代硯は道具としての機能に勝れるばかりでなく、何よりも東洋文化の美を極限にまで高めた格の高さがあり、精神遺産としても高く評価された文人の象徴、「無用の用」として存在するものです。本書では宋代硯とともに、掌硯と古硯の中でも最も美しい太史硯の各種を紹介。『中國硯大全』全3巻を通して、中國硯の真の普及と発展につながればと願っています。
目次
1 宋代硯(宋代の歙州硯;宋代の端硯 ほか)
2 掌硯
3 明代の歙州硯
4 太史硯(端石の太史硯;歙州の太史硯 ほか)
著者等紹介
楠文夫[クスノキフミオ]
昭和13年(1938年)2月15日、東京の書道用品販売の老舗「精華堂」の次男として生まれ、硯の研究に取り組む。平成2年(1990年)に独立し、「硯の研究室」と株式会社イエンタイを創設。東京藝術大学、岩手大学、大東文化大学等の講師を歴任。現在「硯の資料室」室長、株式会社イエンタイ代表取締役社長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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