内容説明
大学入学を機に、叔母がママを務める銀座の文壇バーでアルバイトをすることになった了。その店は、人気ミステリー作家・辻堂珊瑚朗先生ご贔屓の店だった。普段は店のホステスにちょっかいを出しながら、バーボンと葉巻を楽しむサンゴ先生だが、ひとたび不思議な謎に出合うと、鮮やかな推理をさりげなく披露する。ミステリー作家は本当に名探偵なのか?文壇バーで毎夜繰り広げられる推理ゲームと、サンゴ先生の名推理。気鋭の作家が初めて挑戦する、安楽椅子探偵ミステリー連作集。
著者等紹介
竹内真[タケウチマコト]
1971年新潟県生まれ。慶應義塾大学卒。95年に三田文学新人賞、98年「神楽坂ファミリー」で小説現代新人賞、99年『粗忽拳銃』で第12回小説すばる新人賞をそれぞれ受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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すい
28
シチュエーションと会話の妙を楽しむ、安楽椅子探偵物の短編集。 売れっ子作家が主人公のアルバイト先のバーで、様々な謎に挑むというお話だが、読んでいる間中、頭の中には某ハードボイルド作家が居座っていた。 楽しいと言えば楽しいのだが、ちょっと私には読みにくかった。 たぶんこの作家さんの文章が合わないのかと・・・・・・。2014/02/11
minaseh
15
すごく面白かった。キャラが立っててみんな魅力的。ロジックっていうのかな?ヒントを貰って謎を解明していく推理物、なのだけど読者も読みながら推理するというより登場人物がパズルを組み立てる過程を楽しむ話だと思う。文庫版のあとがきも読んだ。「黒幕」って言葉を使ってもママの答えは「ノー」だろう。先生もどう言葉を変えてもイエスと言わないと分かってたと思う。答えが間違いなのではなく、本当に花を持たせなくてはならない人は別にいて、お得意様で「お客様」だから。その人の顔に泥を塗る真似はしないさ。接客業ってそういうもの。2015/12/07
kurumi
9
なんでこんな評判わるいの?私は竹内ファンでもミステリーファンでもないので充分楽しめました。珊瑚先生のようなオヤジはスキだ。これを魅力的と思うかどうかで作品の評価は違ってくるのだろうな。2011/02/19
なつー
8
ミステリーもキャラもあっさりな連作短編集。ズバッと解決するわけでもなく想像力を働かせるタイプだから山場もなく少し地味め。2018/12/12
木漏れ日の下
7
図書館にて借りました。安楽椅子もの、かな。叔母がママを勤める銀座のバーにてバイトをすることになった主人公。お店の常連にミステリー作家の珊瑚郎先生がいて、お店で出合う小さな謎に自らの推理をさらりと披露。設定や一人一人のキャラは良かったんですが、肝心のミステリー部分がいまひとつな感じが否めませんでした。ミーコママのいい女ぷりや珊瑚郎先生と藤沢先生の掛け合いから垣間見える悪友兼ライバルぶりが面白かったです。安楽椅子探偵ものとしては物足りなかったです。2017/04/25