出版社内容情報
グローバル化に伴い形成される新たな「公共圏」を、「周縁」に位置する多様な集団や個人による社会運動、思想、文学から分析。
グローバル化の進展に伴い,ダリト(不可触民),宗教的マイノリティ,女性らが形成する「対抗的公共圏」はインドの政治・社会・経済に大きな影響を与えている.「周縁」に位置する多様な集団や個人による社会運動の諸相を思想や文学も含めて分析する.
刊行にあたって
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序 章 「公共圏」論再考(粟屋利江)
第I編 新たな社会運動の主張とかたち
第1章 現代ダリト運動の射程――「エリート」の台頭と意義(舟橋健太・鈴木真弥)
[補論1]インドのNGO(大橋正明)
第2章 異議申し立てとしての仏教――アンベードカルの仏教理解(桂 紹隆)
[補論2]テランガーナ分離運動(山田桂子)
第3章 歌う会衆――教会・礼拝・聖歌(井上貴子)
第4章 「民俗芸能」が創造されるとき――文化運動と生存戦略(小西公大)
[補論3]ストリート・チルドレン(中根智子)
第5章 資源開発・環境・住民(杉本 浄)
第II編 ジェンダーからみる社会変容
第6章 女たちが政治に参加するとき――ケーララ州とウッタル・プラデーシュ州を中心に(喜多村百合・菅野美佐子)
第7章 フェミニズムとカーストの不幸な関係?――ダリト・フェミニズムからの提起(粟屋利江)
[補論4]クィア政治(江原等子)
第8章 北インドの女神信仰にみる社会変容――身体と儀礼のかかわりから(八木祐子)
[補論5]伝統的女性観(高島 淳・水野善文)
第9章 女が「私」を描くとき(小松久恵)
第III編 再構築される言語と文学
第10章 マイノリティ文学からの発信(萩田 博・石田英明)
[補論6]ディアスポラ文学(松木園久子)
第11章 言語問題とアイデンティティ――シンディー語の事例から(萬宮健策)
第12章 多言語社会における出版文化と社会運動(井坂理穂)
巻末資料 インド各地の主な社会運動解題(小林磨理恵・小尾 淳)
索引/執筆者紹介
【著者紹介】
粟屋 利江
粟屋利江:東京外国語大学大学院総合国際学研究院教授
目次
「公共圏」論再考
第1編 新たな社会運動の主張とかたち(現代ダリト運動の射程―「エリート」の台頭と意義;異議申し立てとしての仏教―アンベードカルの仏教理解;歌う会衆―教会・礼拝・聖歌;「民俗芸能」が創造されるとき―文化運動と生存戦略;資源開発・環境・住民)
第2編 ジェンダーからみる社会変容(女たちが政治に参加するとき―ケーララ州とウッタル・プラデーシュ州を中心に;フェミニズムとカーストとの不幸な関係?―ダリト・フェミニズムからの提起;北インドの女神信仰にみる社会変容―身体と儀礼のかかわりから;女が「私」を描くとき)
第3編 再構築される言語と文学(マイノリティ文学からの発信;言語問題とアイデンティティ―シンディー語の事例から;多言語社会における出版文化と社会運動)