出版社内容情報
生誕150年を迎える文豪・泉鏡花。最新の研究成果と豊富なビジュアルを駆使して、人生から作品まで、その美の世界を伝える決定版。秋の特別展「再現!番町の家」展公式図録。
内容説明
鏡花が暮らした「番町の家」を誌上で再現!美と幻想の作家・泉鏡花(一八七三‐一九三九)。豊富なビジュアル資料を駆使し、その創作と生活の舞台を紹介する。また最新の研究成果を踏まえた、専門家による評伝や解説も充実。最高の鏡花入門書、誕生!
目次
特別公開 鏡花貴重資料
終の棲家 番町の家(泉家玄関;一階;二階)
評伝 人と文学(金沢時代;紅葉入門―新進作家時代 ほか)
麗しき鏡花本の世界(鏑木清方;鰭崎英朋 ほか)
鏡花をめぐる人々(尾崎紅葉;小栗風葉・柳川春葉 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あたびー
44
金沢泉鏡花記念館再訪の折。丁度六番町の家の書斎を模して館所蔵の鏡花愛用の品を配した展示があり、本書収録の品々も改めて拝見して来たばかり。本書ではその他鏡花評伝、美しき鏡花本の装丁と携わった画家、鏡花と縁深き人々についてなどが収録されている。少女時代、通学路に遠い昔鏡花の家があったとはひとつも気づかず通り過ぎていた(お向かいは有島武郎邸)。また訪ね歩いて見たい。 2023/12/12
井月 奎(いづき けい)
36
泉鏡花が明治四十三年から昭和十四年に亡くなるまで住んでいた番町の家を基本に作家の創作活動や嗜好、交友関係を教えてくれる本です。この大芸術家の目は幽玄な広がりや根の国への闇も当然見ることができるのですが、それと同時に庭に来る雀や毎日駆け込むように遊びに来る小さな娘さんの成長も見つめるのです。その目がみつめた人々の振る舞いや心があの得も言われぬ物語りに昇華していくのでしょう。それを紡ぎ出す場所としての番町の家、本から蘭麝の香りがかすかに流れてきます。2023/11/21
悸村成一
0
読了8冊め。図書館本。2024/02/11
夏草
0
"図録"という名前の割には「写真も文章もいっぱいの本」で、見ていても読んでいても楽しい。「あの作品を書いた家だ!」って思えるし。泉さんの御宅にお邪魔して、お仕事部屋まで入れて頂き、兎さんコレクションやら、鏡花小史の美しい本やらも見せて頂いているうちに、泉さんのお知り合いの方々にまでお会いできてしまったみたいな本でした。2023/12/23