出版社内容情報
没後10年の展覧会図録兼ねた怪物タネムラの美術ラビリントス。ヤンセン、ベルメールから横尾忠則、四谷シモンまで130点を収録。
目次
第1章 種村季弘という迷宮
第2章 夢の覗き箱
第3章 没落とエロス
第4章 魔術的身体
第5章 顛倒の解剖学
第6章 書物の祝祭―装幀の仕事
第7章 奇想の展覧会―種村コレクション
タネムラ流批評(種村季弘)(月の道化師―ゾンネンシュターン;甲虫のいる病院)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yn1951jp
39
鰯と鶏足の帽子を被った種村が「タネムラスエヒロとは、マニエリスムスである」とアピールする。今更のように種村独自の世界を堪能できる魅力的な企画展だった。……マニエリスムは様式ではなく、権威への反抗の表現で、西欧への東方(辺境)の風が生み出すクラシシスムとの対立。『怪物のユートピア』の表紙(1968竹口義之)のように、種村には楕円のようにふたつの中心があり、西と東は戦い、片方がゆがんだもう片方にひっぱられていく感覚、これに対して澁澤は円のように中心がひとつだった。(巌谷氏講演より)2015/06/24
A.T
23
謎やミステリーをまとった世界だけが人を惹きつける。。。これは2014年の展覧会図版。種村さん没後10年目だった。当時、このイワシの帽子をかぶったおじさんを理解するアタマはわたしにはなかった。とりあえず、図版だけは購入しておいた自分に感謝。2020/05/17
はりねずみ
10
板橋区立美術館で開催されている「種村季弘の眼 迷宮の美術家たち展」で購入。ナンセンスや虚構、ねじれ、覗き、没落とエロスなどかテーマの絵画をはじめとするあらゆる創作物から、澁澤龍彦らの種村季弘に当てた直筆の手紙などがあり、かなり楽しめたので二回足を運んだ。特に「覗き」の桑原弘明のスコープと池田龍雄の衣装箪笥は初めて直に覗いてみて興味深かった。水槽を見ていると不思議と興奮する理由が、この覗きの展示に来てみて分かった(笑)購入した本は、展示物の殆どを網羅しているが、写真が小さすぎて吟味できないのが残念。2014/09/24
monado
4
こうして種村季弘が紹介した美術を眺めると、少し人間性を超越した香りがし、不思議な一貫性も感じられる。自分の趣味はかなり種村季弘に近いというか依拠している。ハイデルバッハなど珍しい絵が多いだけに、値段高くてもよいので大きくして欲しかった。2014/10/06
OKKO (o▽n)v 終活中
3
種村季弘展@板橋区立美術館のカタログ、つくりは単行本。シュルレアリスム展の巖谷センセのコロナブックスと双璧 ◆けっきょくあの日澁澤の虜になって我が一生は決まったようなものだが、種村にはいまいち手が回らず。ゆえに本展の「体験」はご利益最大級 ◆一環として開催された巖谷國士講演会にて種村とマニエリスムの関係を聞き新たに大いに学ぶ。てかんもぉー、巖谷センセなんつったらもう我が美術人生のアイドル中のアイドル♪♪ 感激ぃ♪♪ ◆ゾンネンシュターン作品2点あり。まさかこの目で見る日が来るとは‼‼ 目と心に刻みつけた2014/10/10