出版社内容情報
有限な資源である温泉を地域経済・社会のなかで利用する際,開発・管理をめぐってさまざまな事態が資源利用の秩序に影響を及ぼした.熱海,長岡,道後,常磐湯本温泉といった温泉地においてどのように対応し解決したのか,資源利用・管理の歴史的変容過程から明らかにする.
内容説明
近代日本における資源利用・資源管理と地域発展とのかかわりを、温泉地を事例に明らかにする近代以降導入された「近代的土地所有権」制度が、温泉資源の利用・管理のありようにどのような影響を与えたのか。戦間期以降の温泉地の利用客数の増加や資源開発の展開に温泉地がどのように対応したのか。温泉地における社会経済的変容に加え、温泉資源をめぐる利用・管理の歴史的変容過程を明らかにすることで、近代日本における資源利用・管理の特質を解明した。
目次
序章 資源利用と地域発展とのかかわり
第1章 温泉地の展開と旅行の近代化・大衆化
第2章 源泉利用の調整と行政機構の役割―明治期の熱海温泉
第3章 源泉管理の変容と温泉配給事業の誕生―戦間期の熱海温泉
第4章 新興温泉地の登場と株式会社による源泉管理―長岡鉱泉株式会社
第5章 外湯利用の温泉経営と行財政運営―愛媛県道後湯之町
第6章 温泉地の「銃後」の役割とその影響―道後温泉
第7章 源泉利用と石炭資源開発との相克―戦前期の常磐湯本温泉
終章 温泉地における私的所有と資源利用―総括と展望
著者等紹介
高柳友彦[タカヤナギトモヒコ]
1980年東京都生まれ。2002年慶應義塾大学経済学部卒業。2009年東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。現在、一橋大学大学院経済学研究科講師、博士(経済学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
- 評価