感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
美紀ちゃん
70
自転車と車の交通事故で記憶喪失に。 中学2年生の孝太郎。 友達や家族の記憶が抜けてしまった。 で、逆にいい人に。 丁寧になり、挨拶もできるようになり、 周囲の人が驚く。 前の自分はどんな人間だったのか? 探るように生活をする。 森絵都さんの「カラフル」のようだなぁと思った。 忘れたら許されるのか?という問いに 弟が 「いまがいいほうがいい。」と言う。 深い。 中学生に読みやすいと思う。 小学生高学年もいけると思う。2024/01/24
☆よいこ
68
児童書。YA。記憶喪失▽14歳、中学2年生の笑喜孝太郎(しょうきこうたろう)は自転車事故で記憶を失くした。孝太郎は、なんだかよそよそしい両親と、孝太郎を見て怯える弟に不安を感じる。学校でも腫物扱いで、前の席の男子は不登校中らしい。押さ馴染みのカンナからは「人間に初期化なんて都合のいい機能はついていないよ」と敵視されている。記憶喪失で性格が変わってしまった孝太郎は、過去の自分をイジメ加害者なのかと思い悩む▽過去にとらわれる人に「いまがいいほうがいい」と言い切る弟の言葉が救いになる。良本。2023.11刊2024/02/15
ゆみねこ
65
自転車の事故で記憶を失った中2の孝太郎。以前の自分はどういう人間だったのか?温かく見守る家族、隣に住むカンナやクラスメイトの倉持くん、そしてかって親友だった高城くん。中学年向きの1冊だが、大人が読んでも考えさせられる。2024/02/09
花ママ
56
事故から目覚めたぼくは、これまでの記憶のすべてを失くしていた。笑喜孝太郎 14歳。両親を含め、会う人がすべてが見知らぬ人たちで、自宅に帰っても落ち着かない。しかし、しばらくすると以前の自分がどんなやつだったのかを知りたくなる。口は悪いが何かと世話を焼いてくれるカンナや倉持、高城に助けられながら、本当の自分を取り戻していく。中学生の友達との関わりが、リアルに描かれていました。2024/03/11
雪丸 風人
25
僕とは何者だったのか?事故で記憶を失った少年が戸惑いの日々の先に辿り着いたのは、驚きに満ちた真実でした。深いわ~。大人でも読みごたえたっぷりです。認知症の老婆をめぐるやりとりなんてリアルすぎて共感の渦。思わぬ人物が心を軽くしてくれるところも素晴らしいし、なんなんだこの作品は!面白すぎて、先が気になって、止まれなくなったじゃないか!大人目線では、期待が子どもを圧し潰さないよう気を配ろうとしみじみ感じましたね。終盤の意義深いメッセージは、あまねく子どもたちに伝わって欲しいです。(対象年齢は11歳以上かな?)2024/01/16