内容説明
ヘレーじいさんの見つけたトルコ石は、ウマやヒツジなどと、つぎつぎとこうかんされて、さいごには歌になりました。歌はヘレーじいさんだけでなく、その国のひとびとみんなを幸せにしました。
著者等紹介
肥田美代子[ヒダミヨコ]
1941年、大阪府に生まれる。大阪薬科大学卒業。参議院議員、衆議院議員を歴任し、子どもの読書推進活動に尽力する。現在、文字・活字文化推進機構理事長、出版文化産業振興財団理事長、絵本専門士委員会委員長、大阪樟蔭女子大学客員教授
小泉るみ子[コイズミルミコ]
1950年、北海道に生まれる。早稲田大学文学部卒業。日本児童出版美術家連盟会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ヒラP@ehon.gohon
26
幸せの国のブータンの民話は独特です。 トルコ石を見つけたヘレーじいさんは、大金持ちになれるはずでした。 ところが、どんどん価値の低いものと交換して、最後には歌と交換したものだから、手許には何も残りません。 それなのにヘレーじいさんは、幸せいっぱいなのです。 この価値観は何でしょう。 物欲にとらわれない幸福感、ブータンは不思議な国ですね。2021/11/19
ツキノ
23
2021年4月発行。ブータンの民話。このおはなし、めちゃめちゃ好き!おじいさんが暑いなか、ソバの畑をたがやしていると出てきたのは大きなトルコ石。「そうだ。こいつをいちばへうりにいけば、おれさまは大金持ちになれるぞ。」というじいさんの表情!その思惑とはうらはらに、出会う人の持つものとどんどん交換していく。実際価値の低いものと交換してしまうのだけれど、じいさんは腕利きの商売人になった気になっている。最終的には聞いているとしあわせな気分になれる歌と交換し、その歌を聞くみんながしあわせになる。(E307)2021/12/29
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
19
幸せの国ブータンの民話。ヘレーじいさんの見つけたトルコ石は、動物たちと次々好感され、最後は歌に。その歌は国中に広がる、歌うと幸せに暮らせます。日本の『わらしべ長者』の逆のおはなし。物の豊かさか、心の豊かさかどちらが幸せなのでしょうね?2021/06/08
なつきネコ
17
ヘレーじいさん。交換するたび価値が下がっているよ。と読むたびに唖然としていた。効果なトルコ石から、ニワトリの頃にはオチを心配してハラハラし続けた。しかも、最後は歌だった。その歌を歌うと不思議な幸運が訪れない。ただ、歌う人が幸せにな気持ちになる。オチが即物的でなく、精神的というのが幸せの国・ブータン故か。読んだあとで即物的な自分の行き方を悩んでしまった。この精神性こそブータンの心なんだな。2023/03/12
てぃうり
4
わらしべ長者のような結末を想像しながら読んでいたが、もっともっとスケールが大きいお話だった。自分だけの幸せではないのだな。ブータンの人々の幸せ感はこういうことなのかな。2021/08/16