出版社内容情報
台所は自然や社会と直結しているから、普通のものを食べて、普通に暮らしているだけでも、海や山の様子がおかしくなっていることを痛感すると有元葉子さん。「楽をする」ことを人間が選びすぎた結果が、今のような状況を作っているのであれば、「おいしく食べる」「気持ちよく暮らす」ためには何が大事かを、今こそ考える必要があるのでは。物事の本質が見られるように真摯に生きたいと願うすべての人に、有元さんの考えるヒントをお届けします。
目次
1 すみかを汚すのは人間だけ?(鳥の巣はかっこいいのに;家を心地よくするための四つのパーツ ほか)
2 ちょっと昔に戻ってみませんか(危険を感じたら引き返す;鉄のフライパンに変えた理由 ほか)
3 簡単料理は簡単か?(簡単でも複雑でも“料理の成り立ち”は同じ;一に「食材の選び方」 ほか)
4 家庭から消えてほしくない食事(海苔弁の海苔の危機;海苔を炙っていた頃 ほか)
5 パンを踏まないようにしたい(ミネストローネは切れない包丁で;ただ一緒にいる ほか)
著者等紹介
有元葉子[アリモトヨウコ]
料理研究家。3人の娘たちのために作る料理が評判となり、料理研究家の道へ。キッチン道具の人気シリーズ「ラバーゼ」のプロデュースも務め、使う側からの視点での“もの作り”にも取り組む(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
R
46
レシピ本かと思ったら、「簡単料理」という概念を問う哲学的な内容だった。簡単といわれる内容も、いつもやっている丁寧な仕事というバックボーンがあってこそということだったり、そういうなんてことない料理作業の中で気づくことやら、気を配ることなんかが軽い口調で紡がれているので説教臭さはなく、さらっと美味しそうな料理の写真とともにエッセーのような内容を楽しめる。塩おむすびとか、いかにも美味しそうだなと感心してしまった。丁寧な暮らしという概念への憧れを満たす内容だった。2023/01/28
バニラ風味
13
簡単に手早く、おいしい料理ができたらな、と思う。そりゃ、手をかけ時間をかければ、美味しい料理ができるのは、わかっているけれど…。料理において、簡単って、どういうことか。思ったより、話は深かった。この方の生きる姿勢に感心。そして、恐れ入りました。2024/02/13
tetsubun1000mg
12
有元葉子さん本は料理本のコーナーに置いてあるのだが、私には有元さんが実践する整理されたキッチンでシンプルに調理する生活を提案するエッセイのように感じられる。 調理用の布巾やフライパンまでこだわって紹介しているのだが、首尾一貫した考え方が伝わるので読んでスッキリとした気持ちになってくる。2022/09/01
Acha
9
簡単料理がテーマかと思いきや、全く壮大な有元さんの視点。元々信奉してるところに、いよいよ教本じみてきた。大切なことはいつもシンプル。もちろん全て実践できる訳ではないが、ちゃんと食べよう、ちゃんと生きよう、という気持ちが湧き、今回も仙豆のごとく噛みしだくのだった。2022/11/30
たっきー
9
テフロンのフライパンはコーティングがダメになって何度も買い替えることになりエコではないというのは、同じく考えていたこと(でも卵焼き器はテフロンのが便利でつい使っちゃう)。おひたしのしょうゆ洗いは知らなかったな。海苔弁がなんとも美味しそう。2022/09/29