出版社内容情報
ふしぎなおとな「ソラモリさん」と小6の美話。コピーライターのソラモリさんがつむぐ〈言葉レッスン〉をとおして、美話の言葉がどんどん花開いていく物語。第3回ものがたり新人賞大賞作の市販化。
内容説明
美話の秘密のメモ帳をひろったのは、ふしぎな大人「ソラモリさん」。コピーライターをしている「ソラモリさん」は、おとなげなくて、ときどきだらしないけれど、美話にとって、わすれられない大切な「レッスン」をあたえてくれた…。「言葉」を輝かせたいと願うすべての人に。第3回フレーベル館ものがたり新人賞大賞受賞作。
著者等紹介
はんだ浩恵[ハンダヒロエ]
石川県生まれ。東京デザイナー学院・コピーライティング科を修了後、フリーのクリエイターとして広告プラン&コンセプト開発、ネーミング、映画のキャッチコピーを手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
昼夜
16
最初はソラモリさんてちょっといいかげんで大人気なくてだめな人だと思った。でも、言葉を使う仕事をしているからその力と意味を正確に使い熟す姿と仕事をしていない時の抜け殻のギャップが人生を楽しむ良い加減なのか、それがだんだん格好良く見えてくる。小学生の頃に読みたかったとちょっと悔しさが滲み出て、こんな大人になりたいのはまだ間に合うかと言葉の使い方を大事にしようと思いました。2021/12/30
鳩羽
5
小学六年生の美話は、極端に無口な女の子。夏休みに童謡の歌詞を作る宿題が出て、いくつも書き留めるが、何かが足りない気がしている。その創作メモを近所に住む子供みたいな大人、コピーライターのソラモリさんに拾われて、二人はなんとなくおやつを食べたり宿題や仕事を手伝ったりする関係になる。…言葉が出ない美話の独特の鉤括弧の表現、少しずつソラモリさんに言葉を正され、引き出されていく過程など、言葉が関係のキーになっている。言葉にならない(地の文でなかなか説明されない)感情が、物語と共に昇華されていく構成がよかった。2022/04/18
vodka
3
登場人物はごく少ない、テーマは言葉。ただひたすら言葉と向き合う夏。本当に映画のキャッチコピーなどを手がける方が書いただけあって端端に出てくる言葉にセンスを感じます。あまりにもソラモリさん以外の周りとの関わりがないので少しフィクションぽさを強く感じるけれど、複雑な人間関係の物語がちょっとという子にはいいかもしれないですね。2022/03/13
ヒマワリ
2
想いはゆっくり言葉になればいい、すごく励まされる言葉だった。私もこんな自由研究がやりたかったな。そして、お父さんが作る目玉焼き、何故かめちゃめちゃ涙腺を刺激する…。コピーライターの方が書いたのがなんとなく納得できる、シンプルスッキリな物語でした。2022/04/07
たい
2
主人公がソラモリさんというコピーライターに出会って、「言葉」について考えながら成長していく。普段身の回りにあふれている当たり前のもの、「言葉」について改めて考えさせられる。主人公といっしょに成長したような気持ちになれる。2022/01/16