出版社内容情報
第2回フレーベル館ものがたり新人賞大賞受賞作。
編みこみビーズの転校生・明來(あくる)が、友だちになろうと近づいた小夜子にはだれにもみえない秘密の友だち「黒猫」がいた。そして、?明來にもだれにも言えない秘密があって……。明來と小夜子、黒猫のはてしない心の旅がはじまる。
内容説明
編みこみビーズの転校生・明來が、友だちになろうと近づいた小夜子にはだれにもみえない秘密の友だち「黒猫」がいた。そして明來にも、だれにも言えない秘密があって…。第2回フレーベル館ものがたり新人賞大賞受賞作。
著者等紹介
村上雅郁[ムラカミマサフミ]
1991年生まれ。鎌倉市出身。2011年より本格的に児童文学の創作を始める。賞歴に、第30回アンデルセンのメルヘン大賞入賞「バナナ」、第13回ジュニア冒険小説大賞佳作「ぼくの不思議なアルバイト」。『あの子の秘密』が第2回フレーベル館ものがたり新人賞大賞を受賞し、初の出版となる
カシワイ[カシワイ]
イラストレーター・漫画家。漫画や書籍の装画・挿絵など幅広く活動(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶち
111
読友さんご紹介の本。読み終わって感動を覚えています。 小学六年の転校生・明來(あくる)が小夜子に友達になろうとアプローチします。でも、小夜子には誰にも見えない秘密の友達(イマジナリーフレンド)の黒猫がいて、人間の友達を拒否していたのです。そして、アプローチした明來にも誰にもいえない秘密があったのです。この二人と二人を取り巻く少女たち、みんな魅力的な人物ばかりです。まだ弱く、傷つきやすく、他人から翻弄されやすい少女たちが、人の心に飛び込んで行く勇気と自身の心の中を見せる勇気を獲得していく友情の物語です。2020/12/21
のんき
85
小学六年生の小夜ちゃん。いつも本ばかり読んで、クラスの中で、友だちを作りません。作ろうともしません。見えない友だちが親友だから他に友だちはいらないそう。転校生の明來(あくる)ちゃんが、そんな小夜ちゃんのために、思い切ったことをします。自分の命だって危ないかもしれないのに。わたしだったら、たとえ親友でも、そんなことしないし、できないな。明來(あくる)ちゃんすごーい!小夜ちゃんはじめ、みんなの心の中がよーくわかるように描かれていました。ラスト小夜ちゃんと黒猫の場面はウルウルしちゃったあ!2020/09/15
はる
76
読後感が爽やかな素敵な作品。好みの雰囲気です。人の心が読める少女と、自分にしか見えない黒猫にだけ心を開く少女。ふたりの悩みや葛藤が繊細な筆致で描かれます。はじめはスクールカースト的な内容かとヒヤヒヤしましたが、みんな優しいいい子ばかりでホッ。こんな友達がいたら嬉しいよね。。ストーリーも読みやすくて引き込まれました。2020/01/31
ゆのん
56
【NetGalley】【児童書】親を含め誰とも関わろうとしない少女と、明るく楽しい転校生の少女。2人には秘密があった。児童書という事もあって非常に読み易い。読み始めは今時の12歳の少女の話し方などに違和感を感じたがそれにもすぐ慣れた。途中やラストは登場人物達の気持ちに泣ける。12歳というと大人から見たら子供だが学校や人間関係で戦っているんだなぁと思うと頼もしいやら、可哀想やら複雑な気持ちになったが、こうして成長してゆくんだと見守れる大人でありたい。4012019/12/28
anne@灯れ松明の火
41
2作目「キャンドル」がすごく良かったので、デビュー作も読みたくなった。第2回フレーベル館ものがたり新人賞大賞、第49回児童文芸新人賞受賞作。納得の作品だった! すぐに誰とも打ち解けられる転校生・明來(あくる)が気になった小夜子は周りを受け入れず、ひとりぼっち。それでも平気なのは秘密の友だちがいるから。そして、実は明來にも秘密が……。ファンタジーだけど、とてもリアルに思える、不思議な作品。主人公以外の少女たちも魅力的で、それぞれの心の揺れを丁寧に描いている。「友達」について改めて考えたくなる良作。 2020/11/27