フレーベル館文学の森<br> きつねの時間

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フレーベル館文学の森
きつねの時間

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  • サイズ 46判/ページ数 164p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784577048382
  • NDC分類 K913
  • Cコード C8093

出版社内容情報

第1回フレーべル館ものがたり新人賞大賞受賞第1作!
~しずかに過ぎるわたしだけの15分~

生まれてからずっとママとふたり暮らしの小6のふみ。家のこと、学校のこと……ストレスから十円玉サイズのハゲができ気にするが、だれにも相談できない。

ママは絵描きで料理が苦手。ふみがつくる料理は絶品で特にスパイスを使ったインドカレーはママも大好物。ある晩、食卓でパパがインドにいる、と聞かされ、生きていることすら知らされていなかったふみはショックを受ける。

母と娘のハートフル物語!

↓本文より引用
なべに油を引き、弱火でニンニク、しょうが、シナモンスティックをいため、ニン ニクのかおりがしてきたら玉ねぎを投入。タイマーを十五分後にセットして、あとはただゆっくり玉ねぎをいためる。  この十五分を、わたしはきつねの時間とよんでいる。  きつねの時間はしずかに過ぎる。木べらを持つ手を動かしてるうちに、換かん気き 扇せ んの音 も聞こえなくなって、頭の中はふわふわどこかへ飛んでいく。

*本作は日本児童文芸家協会主催第18回創作コンクールつばさ賞〈読み物部門〉にて優秀賞を受賞。

内容説明

小学6年生のふみは、ママとふたり暮らし。ママは美術予備校の講師をしながら、絵描きをしていていそがしい。ある日、突然、パパが生きていると聞かされて…!?

著者等紹介

蓼内明子[タテナイアキコ]
青森県生まれ。児童文学同人誌「ももたろう」同人。第1回フレーベル館ものがたり新人賞大賞を受賞し、2018年『右手にミミズク』でデビュー。『きつねの時間』は日本児童文芸家協会主催第18回創作コンクールつばさ賞“読み物部門”にて優秀賞受賞作

大野八生[オオノヤヨイ]
千葉県生まれ。造園会社を経て、現在イラストレーターと造園家として活動(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おたけஐ೨💕🥒🍅レビューはボチボチと…

72
89/100点 初読みの作家さん。日本児童文芸家協会主催第18回創作コンクールつばさ賞〈読み物部門〉にて優秀賞受賞作。読み終わって、生きていく勇気を貰えたなと思えた一冊。大人でも楽しめたけど、学校や家庭や友だちのことで悩みを抱えている青少年たちにぜひ読んでほしい作品。オススメです。2019/10/01

はる

63
繊細であたたかくて…蓼内明子さん、初めて読んだけれど、とても好みの文章を描く人だ。母親と二人暮らしの小学6年生の女の子が主人公。知らなかった父親のこと、学校の人間関係、母を訪ねてくる男の人…。揺れる想いが繊細に描かれていて引き込まれた。登場人物も魅力的で、特に幼なじみの女の子がカッコいい。温かなラストも素敵だ。巧い。これからが楽しみな作家さんに出会えた。2020/07/04

モモ

54
小学校6年生のふみはママと二人暮らし。画家で美術学校の先生と忙しいママの代わりに木曜日に夕食を作る。得意料理はインドカレー。玉ねぎをキツネ色になるまで炒めるきつねの時間。まだ会ったことのないパパのこと、学校での友だちとの関係など、小学生ながらにストレスを抱えたふみは円形脱毛症になる。それでも一歩一歩前向きに歩んでいくふみに勇気付けられる一冊。インドカレーが美味しそう。本の通りに作ってみたい。2020/06/24

ぶんこ

46
タイトルから動物との心温まる本でと思い込んで読み始めました。実はインドカレーの玉ねぎを炒める15分間の事でした。シングルマザーに育てられたふみが、死んだと思っていた父が生きていると知り、教えてくれなかった母に反発します。小6のクラスには色々なクラスメートがいて、ふみはつるまない少女。同じくつるまない幼なじみりょうの隠れた優しさがいいですね。本好きな孝太郎の「心が踊る」という感想が素晴らしい。この本は「心が踊る」よりは「心がほっこり」かな。いい親子、いいクラスメート。2020/07/17

chiaki

44
始めは目に滲みる玉ねぎのみじん切り。でも、弱火でゆっくりゆっくり炒めているとじんわりきつね色、トロトロの玉ねぎに生まれ変わり、ふんわりと優しい香りと甘さをもらたしてくれる。親子関係や友だちとの関わりなどで何かと不安定なふみの心が、少しずつ現実と向き合い前向きになっていく様子や、解きほぐれていく様子は、玉ねぎの『きつね時間』に重なって読み手の心にもじんわりと沁み入る温もりをくれる。急がなくていい、焦らなくていい。そんな優しい癒しを与えてくれる読書時間。ラスト、友情の『のろし』素敵!大好きな1冊になりました!2020/07/06

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