内容説明
人生のなかで、迷い、立ち止まるとき、心の奥に問いかける…わたしたちは、どう生きるべきか―そのこたえを求めて、ニコライ少年と一緒に、3つのなぞを解く旅に出よう。アメリカの絵本作家ジョン・J.ミュースがロシアの文豪トルストイの名著『三つの疑問』を子どもたちに親しみやすい形にかえ、人としての真理をやさしく説きます。
著者等紹介
ミュース,ジョン・J.[ミュース,ジョンJ.][Muth,Jon J.]
アメリカ、オハイオ州生まれ。絵本作家。日本で石の彫刻を学んだ経歴を持つ。色彩豊かな画風と、東洋思想を取り入れた独特の作風に高い評価を得ている。『パンダのシズカくん』は、コールデコットオナー賞を受賞。また『シズカくんとクーちゃん』は、ニューヨーク・タイムズ紙ベストセラーランキングに28週ベストテン入りした記録を持つ
三木卓[ミキタク]
静岡県出身。詩人、作家。詩集『東京午前三時』(思潮社)でH氏賞を、小説『鶸』で芥川賞を受賞。そのほかの作品に、『わがキディ・ランド』(思潮社/高見順賞)『路地』(講談社/谷崎潤一郎賞)『裸足と貝殻』(集英社/読売文学賞)、児童書に『ぽたぽた』(筑摩書房/野間児童文芸賞)『イヌのヒロシ』(理論社/路傍の石文学賞)ほか多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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KAZOO
118
結構内容的には難しいことが書かれている気がします。一人の少年とそのほかにサギ、サル、犬、カメ、パンダなどが出てきます。このまま読む本としては小学上級生がいいのでは?絵本としてはそれ以下でもいいのですがやはり大人が読んで説明を補足しないと難しいと感じました。2015/11/08
つくよみ
78
図書館本:良い人間になりたいと願うニコライ。「何時が一番大事な時なのか」「誰が一番大事な人なのか」「何をすることが一番大事なのか」この3つの謎が解ければ、良い人間になるための方法が解るだろうと考え、仲間のサギ、サル、イヌに問いかけてみたものの、その答えに納得できなかったニコライ。次いで、年老いたカメに問うてみるが・・・?水彩で描かれた絵が、質問の深さを現すような、味わい深い「間」を描き出している作品。頭だけで考えず、その時の状況に応じて、最善の行動を取れる人間が「良い人間」と言うことになるのだろうか。2014/02/24
パフちゃん@かのん変更
62
ニコライ少年はいい人間になりたい。そのために3つのなぞの答えを知りたい。「いつが一番大事な時なんだろう」「だれが一番大事な人なんだろう」「何をすることが一番大事なんだろう」犬、サル、サギ(桃太郎?)という仲間たちに相談するが納得できない。ニコライは山の上に住む年取ったカメに答えを聞きに行く。結局、ニコライ少年が自然にとった行動が答えになっていたのですが、パンダが出てきたり、えっここは中国?いや、この犬はどうみても洋犬だし(笑)トルストイの「三つの疑問」の形を借りて書かれた哲学的な絵本。とても綺麗な絵です。2014/04/07
takaC
61
”The Three Questions”(http://bookmeter.com/b/0439199964)と比べて読んでみたけど、だいぶニュアンスが違っていると思う。Sonya, Gogol, Pushkinを、サギ、サル、イヌとした時点でJon.J.Muth の論旨から逸れてしまっていないか。2015/09/26
momogaga
56
【おとなこそ絵本】医者で作家の鎌田實さんお勧め絵本。3つのなぞ(質問)を主人公が体験を通して答えを出します。「いつがいちばんだいじなときか?」「だれがいちばんだいじなひとか?」「なにをすることがいちばんだいじなのか?」私は今答えを考え中です。このお話はトルストイに対するオマージュだそうです。2021/09/29