内容説明
未曾有の危機に瀕し、絶望におちいった国。救うのは、天賦の「才」か、積み上げた「知」か?すべてを失ったそのとき、新しい何かがはじまった。真の天命とは何か?エテルリア国存亡の危機を救うため、定められた道を変えていく少女の永きたたかいが、今、幕を開ける。本格長編ファンタジー。
著者等紹介
佐藤まどか[サトウマドカ]
1964年生まれ。ミラノのDomus Academyの奨学金を得てイタリアに渡る。1988年に同校デザイン科を卒業後ミラノにプロダクトデザインスタジオを設立。また専門誌のライターを長年務めた後、児童文学を書きはじめる。2006年第22回ニッサン童話と絵本のグランプリの童話大賞を受賞した「水色の足ひれ」でデビュー。現在はトスカーナ地方で夫や娘と三人暮らし。日本児童文学者協会会員。季節風同人
丹地陽子[タンジヨウコ]
東京藝術大学美術学部デザイン科卒業。書籍装画を中心に活動(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
☆よいこ
12
エテルリア国は、「電力」や生活にかかわるエネルギーを「魔力(才)」によって作り出している世界。天候を操り、豊かな生活を送っている国民は、何不自由なく平和に暮らしていた。夢のように平和な国。しかしある日、突然すべての「魔法」が消えてしまった。たとえば、今現在の私たちの生活から一切の「電力」が無くなったら、私たちの社会はどうなるのだろうか?生活は滞り、人々は不安になり、社会情勢は一気に悪化するだろう。マジックアウトしたエテルリア国は混乱し恐慌に陥る。その状況を変えたのは、「無才人」として生まれたアニアだった。2018/02/09
花宴
10
シリーズ第1弾。生活のすべてが魔法で動いて、病気も魔力で治せる。平和で豊かな社会。しかし一旦魔法を失ったら…。危機管理能力なさ過ぎる!なす術がないのにアニアの知識や提案を馬鹿にする人々。腹立たしく情けない。それでも根気よく説得を続けるアニア。無才人として蔑まれてきたアニアが奮闘します。今後の成長が楽しみです。主に電力を作る事が中心でしたが、水はどうなの?ガスはないの?とか気になってしまいました^^;2019/03/24
ママ
10
とても面白かったですし、いろいろ考えさせられました。このあとどう展開していくのか、2巻がいつ出るのか気になります。2011/12/19
晏壽
8
ファンタジーの作品が好きで購入。 才術という魔法のようなものがでてくるのに、凄く現実的だな~と思った。 分厚いけど、スラスラ読めてよかった。
深青
8
誰しも何かしらの力を持つ国に、何の力も持たない「無才」として生まれたアニア。日々劣等感や孤独感に苛まれながら生きていた。そんなある日…人々から力が消えてしまうという大事件が起こる。人々が混乱と恐怖に陥る中、アニアは立ち上がる!こんな流れなのですが、まずアニアの謙虚で素直な性格と、この先どうなるの?と思いから、ページをめくる手が止まらなかった。なかなか深いテーマです。私達も便利なものが当たり前になっていますよね…。それに、自分の世界で完結するのではなく、広い視野を持つ事も大切だと思いました。2013/06/16