内容説明
かあさんは、いつになったらかえってくるの?寒さで鼻の頭が赤くなっても、坊やはその場を動こうとしません。坊やには、ただひとつ、“かあさんへの思い”だけが…風が吹いても、電車が行って帰ってきても、ここでじっと待っています。坊やのひたむきな姿とどこか懐しい韓国の情景が心にしみる、フレーベル館初の韓流絵本。
著者等紹介
イテジュン[イテジュン]
1904年韓国江原鉄道原郡生まれ。幼いころから文学に優れた才能を見せ、朝鮮純文学の最高峰として広く知られる。童話や児童文学を数多く執筆しており、美しい文章、温かな眼差し、細やかな感情描写で親しまれている
キムドンソン[キムドンソン]
1970年韓国釜山生まれ。弘益大学東洋画科卒業。絵本のほかに、広告、アニメ、ポスターなどのイラスト分野でも多彩な仕事ぶりを発揮している
チョンミヘ[チョンミヘ]
1955年東京生まれ。梨花女子大学中退。詩の創作活動を中心に、翻訳を通じて韓流文芸の普及にも務めている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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シナモン
135
韓国の絵本。「ぼくのかあさんは?」停車場でたった一人母さんを待つぼうや。ただただじっと待つ…。そのうち雪も降ってきて…。鼻も赤くなってきて…。それでもただただじっと待つ…で終わりかと思ったら最後のページに救われた。良かったね。セピア色の街、雪が降ってきてからの何とも言えない緑色の空、色使いも素敵な一冊でした。2020/05/28
わむう
14
韓国の絵本。路面電車の停留所でお母さんを待つ男の子。電車が来るたびに運転士さんに「おかあさんは?」と尋ねますが誰もお母さんを知りません。ひたすら母を待ち続ける男の子は、この先お母さんと出会えたのでしょうか。 2018/11/21
遠い日
13
ひたすらにひたすらに母を待つ幼子。近代化以前の郷愁漂う絵の世界に、たったひとり、時間だけが子どもを置いて、すり抜けていく。読みながら高まる不安を解消するラストの幸福な風景。それでも、雪が降り積もるように、心のどこかに残る寂しさと切なさ。2015/06/14
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
12
お母さんを待つぼくの姿がいじらしい。風が吹いてきても、雪が降ってきてもひたすら待つぼく。思いっきり抱きしめてあげたくなります。韓国の絵本とは気づきましたが、『朝鮮児童文学集(1938年)』に掲載された作品なんだそうです。懐かしいと思える風景のはずです。<4分>2021/04/05
mntmt
12
情緒のある絵に、心動かされます。2020/11/04