出版社内容情報
戦後すぐ、「復員船」乗組員たちの知られざる苦闘を、徹底した取材を基に描いた、貴重な記録。感動の戦争ノンフィクション。
内容説明
戦うための船から、救うための船へ。凄絶な呉の大空襲を生き残り、戦後すぐに復員船へと転じた、空母「鳳翔」。日本海軍が誇る伝説の艦がたどった数奇な運命と、その一部始終を見届けた若き海軍通信兵が語る、“果てしない航海”の記録―。
目次
プロローグ 海霧―“幻”の復員船
第1章 凪―日本海軍の最期
第2章 回頭―空母から復員船へ
第3章 抜錨―錨を上げろ
第4章 蜃気楼―天国と地獄
第5章 全速前進―南へ、西へ…
第6章 投錨―“老船”最後の戦い
第7章 転錨―空母から海防艦へ
第8章 宜候―舳先の向かう先
エピローグ 霧笛―「里の秋」
著者等紹介
戸津井康之[トツイヤスユキ]
1965年10月4日、大阪府堺市出身。元産経新聞文化部編集委員。大学卒業後、日本IBMを経て、1991年、産経新聞入社。大阪本社社会部記者、大阪・東京本社文化部記者、大阪文化部デスク、文化部編集委員を経て2018年に退職し、現在、フリーランスのライター(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
trazom
98
元海軍通信兵(96歳)を通じて語られる復員船の物語。奇跡的に大破を免れた空母「鳳翔」が、世界中に取り残された日本人600万人を救出する復員船として活躍する。機雷を避けての航海の危険、一船で三千人の引揚者への食事の提供の大変さ、引揚者たちの心を閉ざした表情など、臨場感あふれる証言が紹介される。童謡「里の秋」が、引揚者を歌ったとは気づかなかった(3番の歌詞)。本書は、一人の元海軍兵からの取材による作品で、ルポとしての広がりや深みは乏しいが、でも終戦後78年、当事者から直接得られる最後の貴重な証言かも知れない。2023/10/08
貴船綏子
0
生き残った空母が改装されて復員船になっていたとは知らなかった。今まで聞いたことが無かった戦後秘史。記録を大事にしないのは変わってないね。内容は興味深いけれど、著者の性格と何か思い入れのせいなのかドキュメンタリーなのに文体が感傷的過ぎる。文末の・・・・・・も使いすぎ。自衛隊の音楽隊イベントのところ、クラシックの歌手は歌謡曲も演歌も当然歌えるでしょう、淡谷のり子も山口淑子もバリバリクラシック出身の人だよね?なんかクラシック以外を馬鹿にしてる?そこ、関係ない話題で現代人が感じ悪い。2023/11/14