出版社内容情報
事件を追う新聞記者キャットは、女性からの匿名電話のせいでレイプ被害に遭う。その女性メグは詐欺師で、キャットは恨みを抱き…
内容説明
キャットは10年間、捜しつづけていた女メグをパーティーのテーブルの向こうで目の当たりにしていた。メグと話したのはたった一度―30秒ほどの電話越しの会話だけだが、私の人生はその30秒で一変した。10年前、新聞記者だったキャットはある事件を追っていたが、女からかかってきた一本の匿名電話のせいでレイプ被害に遭ってしまう。女の消息を追ったものの、詐欺師である彼女は名を変え職業を変え、その消息は途絶えた。だがついにその女メグは、この町に戻ってきた。今度は私が彼女に復讐する番だ―。
著者等紹介
クラーク,ジュリー[クラーク,ジュリー] [Clark,Julie]
カリフォルニア州サンタモニカで生まれ育ち、皆がサーフィンをしている間も読書をしているような子供だった。パシフィック大学を卒業し、カリフォルニア大学バークレー校体育局で働いたのち、サンタモニカに戻って教職に就いた。現在も、二人の息子とゴールデンドゥードルとともにサンタモニカで暮らしている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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yukaring
68
詐欺師のメグとジャーナリストのキャット、女同士の騙し合いがスリリングなサスペンス。2人の視点で交互に描かれる過去と現在、どちらがどちらを騙しているのかわからなくなる演出が心憎い。匿名の電話を受けたキャットは功を焦った結果、性犯罪の被害を受けてしまう。人生を狂わせられた匿名の電話の主を探す彼女は10年後ついにメグを見つけ出す。メグに復讐するため近づくキャット。しかし復讐心はいつしか奇妙な友情へと変化。メグはなぜ男を相手に詐欺を繰り返すのか?明らかになる真相と最後のキャットの選択には驚くが爽快なラストだった。2023/04/08
星落秋風五丈原
32
キャット・ロバーツは、自分の人生をひっくり返した女性が戻ってくるのを10年待っていた.そして今、彼女が目の前にいる。メグ・ウィリアムズ。マギー・リトルトン。メロディ・ワイルド。同じ人でも、町によって、仕事によって呼び名が違う彼女のことを暴露してやろうと固く決意。前作「プエルトリコ行き477便」でも反社会的な女性を敢えて書きたかったという著者は、今回も同様の女性を主役に据える。てっきりキャットによるメグの復讐物語になると思っていたが、中盤から勝手が違ってくる。 2023/05/08
しゃお
32
【再読】再読なのに面白い。初読時は読んでいて辛く感じる部分や物語の行方への不安もあったけど、内容を分かって読む、再読だからこそこの物語のデティール、メグやキャットの内面まで、初読時より感じ取れ夢中になれたかも。メグが行ってきた他の件についても、そしてメグのこの先も知りたくなると同時に、キャットの未来も知りたくなりますね。しかしここに出てくる男性でいい人だったのはゲイのキャルぐらいでしたし、男性読者としては結構身につまされますね。わが身を顧みて改めるべきところは改めないとw2023/04/21
しゃお
31
詐欺師のメグとジャーナリストのキャット。それぞれが自身の尊厳と復讐を胸に動く様子には、ヒリヒリ、そしてハラハラして読み進めるのが怖くなる程。‟女性ふたりが力を合わせれば向かうところ敵なし”、メグの母親の言葉が胸に響く一方、キャットの母親はある意味その真逆のような助言を娘に与えていたように、メグとキャットの二人の対決とその友情がうまく対比して描かれていたんじゃないでしょうか。それゆえシスターフッドの物語として、そしてその行末の力強さと爽快さが得も言われぬ感情を駆り立ててくれました。ゾクッとするラストも◎!2023/02/24
かもめ通信
26
詐欺師のメグと彼女に復讐を誓うジャーナリストのキャット。十年前に何があったのかはっきりとは明かされないまま、物語は幕を開ける。メグとキャット、それぞれのパートに分けて綴られる構成。二組の母娘、復讐に燃える二人の女性、女を食い物にしても屁とも思わないような男たち。読んでいてしんどい部分がないとはいえない。それでも頁をめくる手が止まらないのは、スリリングな展開と張り巡らされたあれやこれやの“真相”が知りたくてたまらないから。メグに肩入れする気持ちはどんどん強くなるのは、詐欺師たるメグの手腕だったのかも!? 2023/03/15