出版社内容情報
故あって船宿『篠屋』の住み込み女中になった綾。人と船の行き交う神田柳橋に巻き起こる事件を、しっとりとした筆致で描く時代推理
内容説明
船宿「篠屋」の船着場に奇妙な屋根船が流れ着いた。船頭らしき男が一人、死にかけている。近くにいた蘭方医で軍医取締の手塚良仙が駆け付けた。良仙は後の漫画家治虫の曽祖父。九年前に大流行し江戸で三万人が死んだ“安政コレラ”の症状に似ている。二人いたらしい客を早く捜さないと、あの悪夢が再現してしまう。江戸を悪疫から守るための闘いが始まった。篠屋の綾は…。
著者等紹介
森真沙子[モリマサコ]
奈良女子大学文学部卒業後、雑誌、週刊誌の記者を経て1979年『バラード・イン・ブルー』で第33回小説現代新人賞を受賞し、文壇デビュー。以後、近代史や現代史に材を採ったミステリー作品で活躍し、近年では中世、古代史にも範囲を広げ、歴史推理や歴史伝奇作品を精力的に発表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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真理そら
54
今回の主なゲストキャラは月岡芳年(秘め絵の女)と手塚良仙(うつろ舟)。この良仙の曾孫が手塚治虫。『うつろ舟』はコレラの感染に対処する話なのでコロナ禍真っただ中で読むといろいろ思うことが多い。2020/07/29
ひさか
3
2020年8月二見時代小説文庫刊。書下ろし。シリーズ5作目。5つの連作短編。いずれの話も、篠屋の綾さんより、ゲストの登場人物中心の展開で、シリーズの楽しみが無く、面白くなかったです。というか、そういうのがテーマなのかも。2020/10/01
goodchoice
2
綾の周りに浮世絵師、医師等いろいろな人物が登場し、物語が展開する。江戸時代末期という時代背景も興味深い。2020/09/18
さ〜くん
1
コロリとの壮絶な戦い。複雑な時代背景の中、手塚良仙の際立った指揮は見事でした。 今もきっと平穏な生活の裏には誰かの奮闘があるのだと思いました。2023/11/18