内容説明
共産党支配からより少数独裁的な「董事会」体制に変わった中国は、2026年、マリアナ海溝近辺でガス田を発見、太平洋支配へと動きだした。密かに同盟を結ぶロシアが嘉手納基地を急襲したのに続いて、中国はパナマ運河を通行不能にし、真珠湾で米軍艦船を爆破、太平洋艦隊にも大打撃を与え、オアフ島に上陸してハワイを統治下に置くことに―。中国のサイバー攻撃によりハイテク機器が使えないアメリカは、ハッキングの影響を受けない、現役を退いた旧い艦艇からなる「幽霊艦隊」でハワイ奪還を目指すが―。
著者等紹介
シンガー,P.W.[シンガー,P.W.] [Singer,P.W.]
ニュー・アメリカ財団の戦略家で、国防総省、インテリジェンス・コミュニティ(アメリカの情報機関すべてを指す言葉)、さまざまなハリウッドのプロジェクトのコンサルタント
コール,オーガスト[コール,オーガスト] [Cole,August]
ライター、アナリスト、元“ウォールストリート・ジャーナル”の国防産業担当レポーターで、現在はシンクタンク大西洋評議会(アトランティック・カウンシル)の非常駐シニア・フェローとして、フィクションを通じて未来の戦争を探求することに専念している。国防総省のNextTec(次世代テクノロジー)プロジェクトのまとめ役も務めている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
C-biscuit
15
古本購入。何かの本のオススメであったが、興味深い内容である。中国軍がアメリカと戦うとこういう戦争に成るのかと本気で思うような内容。5Gや市場規模で世界を席巻しようとしている中国であるが、この小説はまさにそれを具現化した内容である。テクノロジーをベースに話が進行するので、近未来的な要素と相まって納得感も高い。結局は西側の小説でもあるので、読んでいて書き手側を応援するのであるが、小説の中では、日本はいつの間にか中立ということになっている。それでも米軍の基地などがあり、そう簡単にはいかない問題なんだろうと納得。2019/10/11
ゆーぼー
7
スマフォを取り上げられたら、何もできなくなってしまった若者みたいになってしまった無力のアメリカ。 ならばローテクで応戦するしかない。 殆ど見捨てられかけていたズムウォルト級ミサイル駆逐艦に、その白羽の矢が立った。 ストーリーの場面や登場人物が、めまぐるしく変わるのだが、これらの展開が何処に収束していくのか見当が付かないのは、やや興味を削がれる感がする。 以前、中国がレーザーで衛星破壊実験を行い、現在では宇宙ステーションを建設中だ。 それだけにリアル感がある。2017/02/26
かんとり
4
トラトラトラより派手な、新生中国軍の真珠湾攻撃。 衛星はデブリとなり、原子力空母、攻撃型原潜と手痛くやられたアメリカ軍。 ハワイに進駐され、これで核の応酬にならんのかいと?も付くが、表紙絵のズムウォルトは どう活躍するのか? 後半へ。2018/09/27
roughfractus02
3
宇宙での米中間の軍事衛星のサイバー戦争が通信機能を麻痺させ、中国製マイクロチップが埋め込まれた米軍の兵器が機能を失う中、中国軍の自動運転の艦船とドローンヘリがハワイを占領する。VIZグラス、3Dホログラム等スマートデバイス、ハッキングやマルウェアが飛び交う戦争の想定は2026年である。一方、本書は近未来SFではない。米陸海軍と宇宙軍司令部の推薦図書である本書は、『戦争請負会社』の著者で米国防総省技術研究プロジェクト代表P・W・シンガーによって、現実の延長上に想定しうる戦争シミュレーションが描かれるからだ。2018/04/19
tai65
3
星4つ2017/03/06