出版社内容情報
ひょんなことで閑職で飛ばされた凄腕の元筆頭同心「居眠り番」・蔵間源之助に舞い込む極秘の影御用の数々とは…!
内容説明
北町奉行所の元筆頭同心で今は居眠り番と揶揄される蔵間源之助の許に、老掏りの重八が浪人から掏ったという高価な財布を差し出した。中には四十二両の大金と、殺しの書付が…。書付には北町奉行所与力はじめ四人の名と殺しの報酬が記されていた。その直後、財布を掏られた浪人の死体が見つかり、書付にあった博徒、火炎太鼓の矢五郎が行方不明となって…。書き下ろし長編時代小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
トロピカ
2
源之助どうしちゃった、と所々ハラハラした。今回はヤバいほどの激務。仲良しの善右衛門然り、職務上での勘が鈍ったのは年のせいかと落ち込み、息子や部下に慰められて更に落ち込み、やたらリアルでちょっと切なかったけど、最後はやっぱりしっかり魅せてくれるあたりがさすが源之助カッコいい。夫がどれほど不安定になっても朝帰りしようとも、何も聞かずに三つ指ついて玄関で迎える久恵は妻の鑑。こんな時代いいなあといつも思う。 2021/01/11
M2
2
周囲に迷惑をかけることを気にかけつつも信念を貫く源太郎、そしてそんな源太郎を理解して支える周囲の人々。いいですね。最後の場面の簪を手に照れた表情の源太郎が微笑ましいです。ところで美津さんは名前だけでなく本人も登場してほしいです。次巻あたりで進展があるといいな。2012/08/07