内容説明
「もし=if」第二次大戦で、英国がナチス・ドイツに占領されていたならば、という大胆な発想で書かれたのが本書である。ニックはドイツ語が堪能なため、捕虜収容所からの釈放と引き換えに英国西部を支配するドイツ人司令官の通訳を命じられる。当然、周囲の英国人住民からは白い眼で見られながらも、淡々と通訳の仕事を続ける。だが裏ではレジスタンスの闘士として活動する。そんな時、幼馴染の親友がゲシュタポに逮捕され自害するという事件が起きる。
著者等紹介
デイヴィス,マリ[デイヴィス,マリ][Davies,Murray]
英国のサウス・ウェールズ地方で鉱山労働者の子として生まれ育ち、奨学金で大学に進む。国際政治学と詩学で学位を取得したのち、新聞界に入った。デイリー・メイルやミラー社の記者として海外取材物で健筆をふるって名を挙げ、その後作家に転じた。『鷲の巣を撃て』(二見文庫刊)は英国の書評等で「出色の重厚な冒険サスペンス」と絶賛された
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はばたくキツネ
0
ナチス占領下のイギリスが舞台。とは言え、『ファーザーランド』や『SS-GB』のようにWWIIの趨勢が決定しているのではなく、対ソ戦がようやく始まろうというところで、ナチスの勢いにも翳りが見え始めてきたというところ。やや緩慢な展開だが、かえって圧政下の鬱屈とした雰囲気を重苦しく描写しているのに合っている。2011/10/24
我門隆星
0
原題は(占領軍への)協力者。何かというと、ナチスがイギリスを占領しました。逃げたジョージ君の変わりに護国卿リッペントロプ(!)がウィンザー公を国王につけようとします。でドイツ語のできるイギリス人が主人公、民族浄化も辞さないSS相手に、レジスタンス活動をする、という……。イギリスの風習がいろいろ出ていて、小道具は、まあまあ良いのであるが。2005/08/11