二見文庫<br> 生物兵器―なぜ造ってしまったのか?

二見文庫
生物兵器―なぜ造ってしまったのか?

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  • サイズ 文庫判/ページ数 477p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784576011813
  • NDC分類 559.39
  • Cコード C0197

内容説明

冷戦下、ソ連では炭疽菌・ペスト菌・天然痘ウイルス・エボラ出血熱ウイルスなどの恐るべき生物兵器をひそかに製造していた!それらの開発・生産にあたった最高指揮官が米国に亡命後、良心の呵責に苦悩しながらも大量殺戳兵器の製造計画を進めた全貌を暴露し、さらにソ連崩壊によって研究者、極秘資料がイスラム過激派組織、北朝鮮などに流出した事実を明らかにした戦慄のノンフィクション。

目次

第1部 軍事医学(ソビエト陸軍参謀本部;リバース島 ほか)
第2部 バイオハザード(研究室;一〇七号ビル ほか)
第3部 秘密と嘘(超純粋物質研究所;ボンファイアー計画 ほか)
第4部 アメリカの砦(フォート・デトリック;コミュニスト・プロスペクト ほか)

著者等紹介

アリベック,ケン[アリベック,ケン][Alibek,Ken]
1950年、カザフスタンのカウチュク生まれ。トムスク医科大学軍事学部卒業。感染症と疫学を専攻。1975年、ソ連の生物兵器製造組織「バイオプレパラト」に入所。ペスト兵器、ツラレミア兵器の研究開発により微生物学の博士号と、炭疽兵器の大量生産技術を開発してバイオテクノロジーの理学博士号を取得。1987年から92年まで第一総局の副局長として、生物兵器開発の実質的リーダーの役目を担う。1992年、家族とともにアメリカ合衆国に亡命。以来、米国の軍事諜報部に情報を提供し、現在は防衛用生物学の研究に従事している
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

maimai

11
ソ連冷戦下、ソ連最高司令官が極秘の生物兵器開発に従事して良心の呵責を感じアメリカに亡命後暴露したノンフィクション。生物兵器は貧者の核兵器とされてイスラム過激派や北朝鮮にも渡っている。オウムもロシアで開発に加わっていたとされるから他人事ではない。ウイルスによる見えない兵器、電磁波による見えない攻撃はもうフィクションの世界ではないのだろう。国を守る為に開発が相次ぎ核、生物兵器、ハッキングと世の中は混沌化していく。平和の為には闘わねばならないのだろうか。色々な欲望を載せて地球は回る。2021/01/19

たばかる

6
筆者、ケン•アリベックの自伝にソ連の軍事動態と生物兵器の開発を加えたもの。自伝としてみると、元は医者である筆者が人を殺すための細菌兵器の開発を強いられる苦悩と軍人として上司のカリーニンや周囲の状況の変化に揺すぶられる悲痛が伝わってくるものだった。またソ連軍としてのいざこざも広く見れ、実験中のマールブルクウイルスを誤って自身に注射してしまった技術者の死亡までの描写など眉をしかめる程のものが多かった。他にも西側諸国の視察団から研究設備を隠しとうそうとする場面やソ連崩壊寸前の政治騒動など見所は絶えなかった。2018/09/15

Richard Thornburg

3
感想:★★★★★  旧ソビエトで医者を志していた著者が生物兵器を開発する過程からアメリカへ亡命して生物兵器対策に望むまでを淡々と記してあります。  巻頭に地図や組織表などもあり、文中の様子もわかりやすいと思いました。  時代背景、生物兵器開発の経緯を含め、生物兵器の脅威だけではなく、生物兵器開発中の事故に関しても述べられています。  本書を読む際はWikipedia等で史実を調べながら読むと、さらにわかりやすいかもしれません。  良書です。2013/11/29

うたまる

1
「発症形態からみて、あれは自然発生したものではありません」「つまり?」「つまり、この疫病は、意図されて発生したものです」……アメリカに亡命したソ連生物兵器製造責任者の回顧録。生物兵器の開発秘話を始め、監視と密告の社会、権力闘争、各国への拡散など、読み処多く味読した。で、副題のアンサーは、底なしの相互不信。いくら説明しても査察しても端から信用しない。だからどの国も安全保障として準備せざるを得ないのだ。なのに日本の科学者は軍事研究はお断りだという。世界が分かっていないなら小児的。分かって言っているなら偽善的。2018/08/23

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