出版社内容情報
犬も歩けば棒にあたる――。その故事のごとく、一歩外に出てみれば、そこで出会うのは災難か幸運か!? 巧みな人物造形と心理描写で多くの読者から支持される著者が、自ら街で見た人物や光景を日記形式で描く随筆集。直木賞作家の目に、その人は、あの出来事は、どう映るのか。あなたの身近の風景も、著者の手にかかれば、一瞬にして物語になる!
内容説明
犬も歩けば棒にあたる。その故事のごとく、一歩外に出てみれば、そこにあるのは幸運か災難か!?巧みな人物造形と心理描写で多くの読者から支持される著者が、街で見た人物や光景を日記形式で描く人間観察記。あなたの身近の風景も、著者の手にかかれば一瞬にして物語になる!
著者等紹介
乃南アサ[ノナミアサ]
1960年東京都生まれ。早稲田大学中退。広告代理店勤務を経て、88年『幸福な朝食』が第1回日本推理サスペンス大賞の優秀作になりデビュー。96年『凍える牙』で第115回直木賞、2011年『地のはてから』で第6回中央公論文芸賞、16年には『水曜日の凱歌』で第66回芸術選奨文部科学大臣賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のぶ
83
近々に「続・犬棒日記」が出ると知り、その前に前作を読んでおこうと思い手に取った。乃南さんの小説はほとんど読んでいるが、エッセイを読むのは初めて。軽い気持ちで読み始めたのだが、変化球を投げられたような印象を持った。本書はたまたま遭遇した、名も知らぬ行きずりの人々の事を、乃南さんの視点から描いているものばかりだった。描かれる人たちがあたかも小説に出てくる人物のように描写されていて、4,5ページの話がショートショートの小説を読んでいるような感覚にさせられた。乃南さんの小説の原点のような作品集。2022/01/05
Ikutan
76
電車の中で、カフェで、病院の待ち合いで、スーパーで、公園で...名も知らぬ人たちが繰り広げる日常の小さなひとこま。さりげない台詞に耳を傾けて、普通だったら見過ごしてしまう声音や表情の変化から、彼らの抱える事情を想像しちゃう、乃南さんの観察眼は鋭い。一つ一つは日記形式で短いけれど、巧みな人物造形と心理描写が魅力の乃南さんにかかると、それだけで一つの物語になってしまうのだ。いやぁ、普段何気なく過ごしている日々の景色が変わってしまうかも。続編も読みたい。2022/01/28
あつこんぐ
34
初読みの作家さん。早く読めばよかった‼️と後悔しています。エッセイというより短編の小説集を読んでいる感じでした。鋭い観察眼と素晴らしい文章力があれば何気ない日常もこんなにドラマチックになるんですね。いやー、参った。追いかけたい作家がまた増えてしまったなぁ。2021/11/21
マッピー
19
「×月×日」から始まる、一篇3ページ程度のストーリー。最初これは日記の体をしたエッセイなのかと思った。さすが作家というのは、普段の生活からストーリーを引き出すのが巧いものだ。何気ない日常の隣でどんな会話がなされているのか、人ごみの中にどんな異彩を放つ存在があるのか、その耳は、目は、逃さないのだな。日ごろの観察眼のたまものということか。けれど、こんなにこんなにドラマって落ちているもの?これは、日記の体をした、日常系ショートショートですね。なんとなくパターンが透けて見えて、後半はちょっと読むのに飽きた。2024/05/29
原田雅輝
16
装丁の割にビターなテーマの日記。実際この日記の内容が普段の生活を過ごす中で得られるかあやしい。2024/06/23