双葉文庫<br> 海峡を越えたホームラン―祖国という名の異文化

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双葉文庫
海峡を越えたホームラン―祖国という名の異文化

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  • サイズ 文庫判/ページ数 390p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784575710960
  • NDC分類 783.7
  • Cコード C0195

内容説明

玄界灘を渡って、韓国プロ野球に身を投じた福士明夫、新浦寿夫ら在日コリアン選手たちが、言葉のわからない「祖国」で体験する烈しい文化摩擦。著者は彼らの「祖国という名の異文化」との格闘の日々を丹念に追い、鮮やかに描きだしていく。従来の韓国・朝鮮観を一変させた画時代的ノンフィクション。講談社ノンフィクション賞受賞。

目次

第1章 重たい春 一九八三年春から夏
第2章 高い空、乾いた風 一九八三年秋
第3章 『祖国』へのシュートボール 一九八三年から八四年初春
第4章 揺れる大地 一九八四年初夏

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

遥かなる想い

179
第7回(1985年)講談社ノンフィクション賞。 在日韓国人である元プロ野球選手が、 誕生間もない韓国のプロ野球界に、身を投じた 時の記録である。 元広島の福士明夫を中心に、韓国での 苦闘の日々を追う.. 近くて遠い 韓国と日本の文化の違い ..「祖国」に対して感じた 異文化の感情が 克明に現代に 伝わる本だった。2017/07/14

ころこ

35
日本のプロ野球で活躍できなくなった選手が、韓国プロ野球にその場を求めて活躍する。当時の韓国プロ野球は黎明期で、既に50年歴史のあった日本のプロ野球との差がそれを可能にしています。当時、日本からの制限の多かった韓国に対して、なぜ彼らが可能だったかというと、彼らが「在日」だったからです。しかし彼らにとって祖国だった韓国は、実際には外国として映ります。日本語を話し、日本文化に自然に馴染んだ彼らは日本では「朝鮮人」と疎外され、韓国でも馴染むのに苦労します。日韓の間には、サイードがアメリカとパレスチナの間で生じた問2021/07/22

しんこい

8
30年前の韓国の様子も野球の様子も隔世の感があり、こういう本がなかったら知ることもなかったか。今やWBCでも苦しめられ、大分様相が違います。でも在日コリアンの状況や日韓文化の違いが認識できていないのは、同じかな2014/06/29

うたまる

4
80年代、韓国プロ野球の創成期に日本の元プロ野球選手として参加した在日コリアンたちを描くノンフィクション。記号としての在日は、日本人からは”恩知らず”、韓国人からは”裏切り者”として色眼鏡で見られ、そのイメージは決して良くはない。それは美味しいとこ取りしようとする打算に対する嫌悪でもあるが、実際の彼らの苦労を知ってみれば、むしろ憐みの方が遥かに勝ってしまう。韓国人の面子や嘘に翻弄される姿は、外交やビジネスの場面での我々日本人の姿そのまま。いつしか在日ではなく、同じ日本人として応援する気持ちになっていた。2019/07/23

kaikoma

3
韓国プロ野球の黎明期の作品です。韓国人でも日本人でも有る選手たちが自国でアイデンティティを確立する難しさが、とても重いです。今でこそ比較的気軽に行ける身近な海外ですが、当時は日本からの旅行者も余り多くなくもっと心理的に距離のある国でした。2011/07/27

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