内容説明
戦後の混乱期に火を噴いた広島ヤクザ戦争の渦中で、波谷守之は親分・土岡博と実父・吾一を失なった。「仇は必ずとってみせるけん!」孤立無援ともいえる以後の長い戦いの日々に波谷は厳しい男の生き方を貫き通した。昭和52年、川内組組長殺害事件にからんで殺人教唆に問われた波谷は、冤罪との戦いを開始する。最後の博徒と呼ばれる男の不撓の半生。
目次
第1章 呉の「阿賀者」
第2章 実父・吾一殺さる
第3章 渡世の出会い
第4章 流転の博徒
第5章 広島ヤクザ戦争の終焉
第6章 菅谷組と川内弘殺害事件
第7章 代用監獄のミステリー
第8章 偽証する検察官
第9章 波谷守之の「不在証明」