出版社内容情報
数ある作品のうち、これまで文庫化されていなかった作品を収録した作品集の新装版。新陰流の祖・上泉伊勢守や直心陰流の剣聖・男谷精一郎の評伝小説、同じ一刀流に学びながら敵同士になった堀部安兵衛と清水一学を描いた表題作など傑作揃いの逸品!
内容説明
浅野内匠頭の家来、堀部安兵衛と奥田孫太夫に吉良上野介の中小姓である清水一学。同じ一刀流の堀内道場に通いながら、敵味方にわかれざるをえなかった彼らを師の視点から描いた「元禄一刀流」や、新陰流の開祖、上泉伊勢守の戦国武将としての姿を描いた「上泉伊勢守」など、文庫に収録されていなかった作品7編を収録したオリジナル文庫。
著者等紹介
池波正太郎[イケナミショウタロウ]
1923年東京生まれ。劇作家などを経て60年『錯乱』で直木賞を受賞。小説『鬼平犯科帳』『剣客商売』『仕掛人・藤枝梅安』『真田太平記』のほか、随筆『日曜日の作法』『散歩のとき何か食べたくなって』など著書多数。77年に吉川英治文学賞、88年に菊池寛賞を受賞。86年には紫綬褒章を受章した。90年、死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ぶんぶん
22
【図書館】文庫初収録という文字が眼を引いた、池波正太郎の初期作品が収まっている。 なかでも、「上泉伊勢守」が気に入った。 御落胤が小畑図書之介の妻・於富の子供という推理が面白い。 柳生新陰流の祖の戦国時代の剣豪の話である。 これが文庫初収録と言う事が面白い。 しかし、こんなに初収録作品が残っていたにビックリした。 探せばあるもんですね。2024/07/24
HaruNuevo
9
池波正太郎さん生誕100年の今年、これまで池波正太郎さんの著書には収録されていなかった中短編を新たに文庫化。 作家人生初期の作品が多いが、その後に描かれる長編の土台となった作品もある。 解説では言及されていなかったけど、仇討ち奇譚とでも呼ぶべき『かたき討ち』は、後に剣客商売シリーズ中の一編のベースとなってるよな。2023/12/04
金吾庄左ェ門
4
池波作品ではわりとおなじみの堀内道場の主・堀内源太左衛門の視点で赤穂浪士討ち入りを描く表題作『元禄一刀流』が面白かったです。浅野家と吉良家の両方に弟子がいるという因縁深さを実にさっぱり仕上げています。 収録作では一番長く短編というよりは中編の『上泉伊勢守』も後の『剣の天地』につながって行くのでしょう。2024/09/15
niz001
3
久しぶりに読む池波正太郎さん。正確には「前半分を占める中編が池波正太郎の文庫に収録されるのは初(他のは本当に初文庫化)作品集」。2023/11/07
Mikey
2
池波さんの短編集。いろんな本の原型となった作品がまだ残っていて、それをまとめたものだったらしく、中には以前読んだ記憶のあるものもあったが、改めて、新鮮に感じた。短いが、それだけに爽快さを感じた。2025/02/23