出版社内容情報
寒さ和らぐ如月、不忍池のまんなかで侍の屍骸が浮かんでいた。定町廻りの八尾半四郎が身元不明の侍の変死体を検屍するのは、ふた月足らずの間で、すでに三人目である。いずれも遺体の懐中から木彫りの猿と葛の葉が見つかった。半四郎はひとり目の男が殺された岡場所を訪ねると、相手をしていた女郎おくずは忽と姿を消してしまったと聞く。さらに探索を進めると、侍らはみな同じ藩の火消役だったことがわかり……。下手人が残した暗示と蔓延る悪をあばくべく、熱き半四郎はひた奔る! 傑作新装版、第十七弾。
内容説明
寒さ和らぐ如月、不忍池のまんなかに侍の屍骸が浮かんでいた。定町廻りの八尾半四郎が身元不明の侍の変死体を検屍するのは、ふた月足らずの間で、すでに三人目である。いずれも遺体の懐中から木彫りの猿と葛の葉が見つかった。半四郎はひとり目の男が殺された湯島切通の岡場所を再び訪ねると、敵娼の女は忽然と姿を消してしまったと聞く。探索を進めると、殺められた侍らはみな同じ藩の火消役だったことがわかり…。下手人が残した暗示と蔭で蔓延る悪をあばくべく、熱き同心魂を胸に半四郎はひた奔る!傑作新装版、第十七弾。
著者等紹介
坂岡真[サカオカシン]
1961年新潟県生まれ。早稲田大学卒業後、11年の会社勤めを経て文筆の世界へ。四季折々の江戸の情緒と人情の機微を、繊細な筆致で綴る時代小説には定評がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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やま
69
剣の冴えが凄い、サスペンスドラマ…。町方として唯一袖の下を受け取らない頑固者だが、ずば抜けた探索力を持つ定廻り同心の八尾半四郎、元会津藩士で会津真天流の遣い手の浪人・天童虎之介と、半四郎の叔父で元風烈廻り八尾半兵衛の活躍を描いた物語です。此度、曰窓、土俵の鬼六、拾う神、の短編3話の中で、相撲取りの六兵衛が、関脇、大関との対戦が面白い「土俵の鬼六」が良かったです。🌿続く→2022/04/29
アニータ
3
八尾半四郎の叔父、元風烈廻り同心の八尾半兵衛、ちょっと無理をしましたね。危ないところでした。半四郎、頼りがいのあるおいっこなのでもっと甘えたらいいのに、と思います。人情味あふれる作品群ですが、おまつや三左衛門の登場がなかったので残念です。2022/09/01
おちょこ
0
10年程前に途中まで読んでたシリーズ。すごく好きだったはずなのに、今、読むと、拷問や斬り合いなどの痛い描写や、理不尽な時代背景が辛すぎて、読めなくなった。年取ったせいかな。登場人物は魅力的。何とか最終巻まで到達。最後は、あぁそうかぁ…と、納得できる結末。希望もあって、よかった。2024/09/20
onakagayowayowa
0
半兵衛、優しい。いつも優しい。亡くなった祖父を思い出す。 今回は、三左衛門は活躍なしの回。半四郎たちが、それぞれの正義を貫く感じ。 雪乃はもう出てこないのかな?2024/06/07