出版社内容情報
信長、本能寺に死す! 驚愕の報せに慌てふためく家康主従。突如、敵地と化した畿内を脱出するため、一行は「伊賀越え」を決意する。本多平八郎とともに殿軍を務める茂兵衛に、落ち武者狩りや、天正伊賀の乱の復讐に燃える伊賀者が襲いかかる。戦国足軽出世物語、三十六計逃げるに如かずの第7巻!
内容説明
信長、本能寺に死す!京を脱出した茂兵衛がもたらした一大事に、わずかな供回りのみの家康は、突如、敵地と化した畿内から伊賀を越えて本国三河まで逃げることを決意する。だが、信長の同盟者である家康の首を狙って、後ろからは謀反人の明智軍、前では落ち武者狩りや、天正伊賀の乱の復讐に燃える伊賀者が待ちかまえていた。本多平八郎らと共に殿軍についた茂兵衛は、血と泥に塗れながら伊賀路をひた走る。戦国足軽出世物語、天下大乱の第7弾!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
292
ここ数巻は、戦国版サラリーマン小説風味が強めであったが、さすがに今回は斬ったはったのオンパレード。多少は、中間管理職茂兵衛のマネージメント術が披露される場面もあるが、超人的体力と暴力で、ひたすら目前の危機を乗り越えていくだけといえば、それだけの巻でもある。ただ、新キャラ花井のおとぼけっぷりや、冒頭からかましてくれた梅雪の存在などが、単調な戦場面の反復を回避してくれている。終盤では真田昌幸がちらっと登場。先日出た最新刊が『上田合戦仁義』なので、かなり重要な役割を担うのだろう。楽しみ。2022/08/03
ねこ
150
三河雑兵心得7巻。本能寺の変にて信長死す。家康一行は堺にて物見遊山から一変廻りは敵だらけ。まともな武器も防具も無く、味方も少数。我らが茂兵衛が主人の元へ駆けつけて、平八郎と共に落武者狩の農民や伊賀衆、甲賀衆、諸々から狙われるも戦略と実力と胆力で乗り切る。犬猿の仲だった寄騎、左馬之助と辰蔵が打ち解けあったのを茂兵衛が見て前に綾女が寝所にて「共に笑い、共に泣く生の暮らしの前では、古びた怨霊など馬鹿らしく思えて参ります」との言を思い出す辺りでホロリとしました。そして最後に辰蔵から衝撃の展開に…。ハラハラドキドキ2022/11/09
みっちゃん
137
信長死す。混乱の極みの中、敵陣突破、九死に一生を得て、狸親父家康覚醒。その矢継ぎ早の命令に応えるため、まさに文字通り、不眠不休で大立ち回りの茂兵衛。読んでいるだけのこちらまでヘロヘロ気分だよ。ちょっとだけ登場したのはあの真田の!きっとこれから家康や茂兵衛を散々悩ませるんだろうなァ。ラストはまた驚きの!これ、将来的に跡継ぎの問題とか…次は小牧長久手だ!2022/11/13
のり
97
信長が討たれ、家康も追われる立場になった。光秀の他にも織田家中での協力者を疑い、単独で伊賀越えをする事になったが、人も装備もまったく足りない。落武者狩りの敵地をどう切り抜けるのか…家康にとって人生最大の危機といえる。茂兵衛にとっても試練であった。走りに走り、政治的思慮にも苦心する。さらに綾女絡みで、衝撃の展開へと…2023/10/02
ぶち
90
とうとう、あの有名な"神君伊賀越え"です。信長からの接待で京や堺に来ていた家康は物見遊山そのもので、まったく武力を持たない丸裸同然でした。そこに起きた本能寺の変。明智光秀の軍に見つかれば家康の命もありません。三河に逃げ帰るためにとったのが伊賀越えですが、具体的にどのルートだったのか史実的には定まっていません。この本で示されたルートは著者のフィクションだとは思いますが、物語に面白味を与えてくれるもので、読者を楽しませてくれます。歴史が大きく動く転換点。茂兵衛のこれからの活躍がますます楽しみになってきます。2023/01/03