出版社内容情報
根津権現門前町にある裏店、通称『ごんげん長屋』の住人で、樽ころをしている国松の女房のおたかが倒れてしまった。身重のおたかの身を案じた長屋の女房たちが交代で世話を焼いたことで、おたかはなんとか快方に向かうのだが、住人の厚意に恐縮しっぱなしの亭主の国松は、お勝に意外な決意を打ち明けてくる――。くすりと笑えてほろりと泣ける、これぞ人情物の決定版。時代劇の超大物脚本家が贈る、感涙必至のシリーズ第二弾!
内容説明
年の瀬を迎え、『ごんげん長屋』でも住人たちが慌ただしい日々を送る中、樽ころをしている国松の女房のおたかが倒れてしまった。身重のおたかの身を案じた長屋の女房たちが交代で世話を焼いたことで、なんとか快方に向かうが、住人の厚意に恐縮しっぱなしの亭主の国松は、お勝に意外な決意を打ち明けてくる―。くすりと笑えてほろりと泣ける、これぞ人情物の決定版。時代劇の超大物脚本家が贈る、落涙必至のシリーズ第二弾!
著者等紹介
金子成人[カネコナリト]
1949年長崎県生まれ。会社勤めのかたわら倉本聰に師事し、72年『おはよう』で脚本家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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タイ子
80
シリーズ第2弾。根津権現門前町にあるごんげん長屋に暮らす人々の師走の姿を綴った物語。ここに住まう質屋の番頭をしているお勝が頼りになる存在で長屋のまとめ役と言ってもいいくらい頼もしい。今回も、夫婦げんかの仲裁に、自死した娘の仇を取るため命を永らえている男に寄り添ったり、慌ただしい年の瀬に長屋は何かと騒がしい。「女房妬くほど亭主もてもせず」の川柳を地で行く話は面白かった。どんな時でもお勝に頼る長屋の住民だが、お勝自身にも過去がありそれが切ない。長屋と市井の人々の話は色々楽しませてくれる。2021/04/02
やま
77
文政元年(1818年)11月から大晦日までを。江戸は根津権現社の近くの「ごんげん長屋」に住まいして3人の孤児を引き取り、女手ひとつで育てるお勝は、女ながら質舗・岩木屋の番頭を務めています。こまかく江戸模様がよく書かれています。読んでいて、心がなごみ、笑顔が出たり、驚いたりと飽きることがありません。今作の中で沢木栄五郎の潔さがでた「天竺浪人」が特に良かったです。シリーズ2作目。字の大きさは…中。天竺浪人、悋気の蟲、雪の首ふり坂、ゆく年に、短編4話。 2021/08/03
とし
76
ごんげん長屋つれづれ帖 「ゆく年に」2巻。ごんげん長屋に住む人達のそれぞれの年の瀬、樽ころの国松さんの女房身重のおたかさん倒れるが、長屋の女房達が世話を焼く人情がいいですね。2022/01/23
はにこ
45
江戸の市井を描く、ごんげん長屋。決して裕福ではないけど、お互いを支え合って生きているのが気持ち良い。お節介は人を救うことも多いけど、それを重荷に感じてしまうこともあるよね。他人に踏み込まない現代から見たら羨ましくもあるけど。手習いの先生が貧乏な子に自らは教えないと言ったのは良い教育だね。こういう人に育てられるのは幸せだね。2024/08/16
BLANCA
41
シリーズ第2弾。文政元年、「ごんげん長屋」の年末。お勝さんが番頭として働く質舗「岩木屋」も、新年を迎えるお客が質入れした掻巻やこたつ等、預けた物を引き取りに来たり、正月の餅つき用の杵やうすを貸し出したりと忙しい。歳末の慌ただしさと、正月を楽しみにしている様子がよく分かる。悲しい話もあったけど、お勝さんの次女・お妙ちゃんに字を教わっていた弥吉の手紙にほっこり☺️ 「恋文は男の方から送らないと…」と、この手紙は恋文でしょ、弥吉くん? お妙ちゃん、気が付いてた? 時代物が苦手な私でも、読みやすいお話。2024/11/19