出版社内容情報
北町奉行所に投げ文が放り込まれた。そこには、上野元黒門町に店を構える質屋・大黒屋に押し込みが入るという垂れ込みが女文字で記されてあった。早速探索を開始した臨時廻り同心の白縫半兵衛は、大黒屋の周辺を見張るとともに、投げ文の主を探ろうとするが……。半兵衛の粋な人情裁きが冴え渡る、人気書き下ろし時代小説。
内容説明
八百石取りの旗本北島家の倅で、愚か者と評判の右京が五日前から姿を消した。その行方捜しを命じられた臨時廻り同心の白縫半兵衛は、右京と連んで湯島界隈を遊び歩いていた旗本家の倅・原田進次郎、大沢小五郎らを見張り始める。すると、進次郎らの行く手に総髪の浪人が立ちはだかり…。北島右京はなぜ姿を消したのか。そして進次郎らを尾行廻す総髪の浪人の目的とは!?「世の中には知らん顔をした方が良いこともあるさ」と嘯く半兵衛の人情裁きを描く、書き下ろし人気シリーズ第十二弾。
著者等紹介
藤井邦夫[フジイクニオ]
1946年、北海道旭川生まれ。「特捜最前線」「水戸黄門」などテレビドラマの脚本家、監督を経て、2002年に作家デビュー。以降、時代小説で数々のシリーズを手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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いつでも母さん
154
タイトル作を含む4話。かつて半兵衛に助けられたおこまが惚れた男の弟を救うため半兵衛を頼る『長い一日』、隠密廻りの黒木と拘わりあう事件の『隠密廻り』が良かった。安定の半兵衛組の活躍が嬉しいシリーズ12だった。2021/02/19
やま
90
シリーズ12作目 2021.02発行。字の大きさは…中。 長い一日、一周忌、隠密廻り、通り雨の4話。 北町奉行所臨時廻り同心・白縫半兵衛の人情裁きが冴えます。 事の発端は、北町奉行所に「知らん顔の旦那様へ」との手紙が届けられる。白縫半兵衛が開いて見ると、「きょう質屋『大黒屋』に盗賊が押し入る」と書いて有る。半兵衛が調べて行くと、四年前に美人局の罪でお縄にした、おこまが、好きな男の弟が賭場で借金を作り、それを返すために盗賊夜烏の一味に加わり、金を得ようとしていることが分かる。半兵衛は、夜を待ち…。🌿続く→2021/04/07
真理そら
59
「隠密廻り」隠密廻りの黒木佑馬は事件解決のとき潜入捜査中にできた人間関係(女性関係)をどうするのか。知らん顔の旦那の手助けが粋だ。隠密廻りとして優秀だけど辛いねぇ。2021/02/12
goodchoice
2
いつでも弱い者の味方の半兵衛の人情裁きは心地よい。2021/04/05
Suzu
0
新・知らぬが半兵衛シリーズ第12弾。旗本の馬鹿息子が起こした事件で理不尽に殺された被害者の家族が復讐をしていくって話は結構多い。この一周忌もそんな話だ。小五郎が切腹を免れたのは納得いかないが。ただ夏目慎之介が罪に問われないのは当然。そして次巻に進む。2022/01/21