出版社内容情報
母を三年前に亡くし、父であり腕のいい料理人の千吉と、二人で飯屋を切り盛りしているおはる。もうすぐ二十歳だが、思い人とは夫婦になれず、このまま店を手伝っていくのかと将来に不安を覚えている。でも温かい常連さんたちを迎える日々は楽しいし、張り合いもある。でも、千客万来だけに時に、事件や厄介事も迎え入れてしまうのだ。考えすぎるところもあるが、責任感の強いおはるの「娘以上大人未満」模様、いざ開店~♪
内容説明
神田鍋町の飯屋の看板娘・おはるは頑固一徹な料理人の父と二人暮らし。うどんに鱈鍋、いなり寿司。父の料理は素朴だが、不思議と毎日食べても飽きないのが売りで、店は常連客で賑わっている。千客万来―店にはおかしな事件や揉め事も舞い込んでくるけど、亡き母に教わった笑顔の大切さを胸に、ともすれば顔を出す短気や弱気をおさえ込んで元気一杯に前を向く。注目の書き下ろし新シリーズ、開店!
著者等紹介
槇あおい[マキアオイ]
金融機関勤務を経て作家業に入る。あたたかい人情物のなかにミステリー色を織り込むのを得意とする(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やま
93
神田まないたお勝手帖1作目 2019.04発行。字の大きさは…中。 神田鍋町の飯屋「まないた」の看板娘おはると店主で父の千吉がおりなす人情物語です。 常連客の子唄の師匠おきょう姐さんの白い雌の飼い猫りんが、攫われたり。おはるの妹・おとよが、相撲取りの藤ノ松の子を孕んで、突然に義太夫の修業を止めて帰って来たりと、飯屋「まないた」を舞台に、いろんなもめ事が起こりますが、看板娘のおはるが笑顔で解決して行きます。笑いあり、涙ありですが、どうも私の顔から笑いが出ません。2020/12/30
ゆみきーにゃ
92
シリーズ一作目。読友さんの感想を読んで気になった作品。いつも笑顔の看板娘のおはるにすごく好感が持て一気読み。飯屋まないたに持ち込まれる数々の揉め事。最後はハッピーエンドで終わるのも良し。2021/01/04
むつこ
32
どこかで読んだことのありそうな設定ではあるけれどなんだかいいもの持ってるなと感じさせる、じっくり育って欲しい若手の作家さんかな。母親を亡くし父と飯屋を手伝う20歳の女の子の物語でシリーズ1作目。大きな事件はないけれど市井の暮らしをのんびり読める楽しい連続短編集。2019/08/05
ゆっくりさん
17
初読みです。父娘で営む飯屋の日常を描いた時代小説です。刃傷沙汰はなく、看板娘のおはるがご近所や常連さんの為におせっかいを焼きながら成長していくほのぼの作品です。料理は父の千吉が担当の為多くなく、飯屋の為肴系も少ないです。うどん、蕎麦、丼系です。食欲をそそられたのは煮卵のおにぎりです。おはるは煮卵のおにぎりを軽く食べてしまうほどの食いしん坊さんなのに20歳というから驚きです。15~17歳ぐらいの幼さが残っ目立つので、時折20歳?と設定を疑問視してしまいますが、素直に成長していってほしいと思います。2020/07/04
メルル
15
母を亡くし、料理人の父と娘で営む飯屋。そして癖のある常連たち。珍事件が巻き起こる。あっさりした物語だが、とにかく白飯がうまいという結論にたどり着く(笑) 美味しいお米で握るおにぎりが一番ですな。2019/12/12