出版社内容情報
こよなく愛するクラシック音楽をLPレコードで楽しんでいる村上春樹さん。百曲以上の名曲を論じながら、作家の音楽観が披露される。
内容説明
うちの棚から、好きなレコード、面白いレコードを486枚ほど選んでみました。―美しいジャケットをオールカラーで紹介。
目次
ストラヴィンスキー 「ペトルーシュカ」
シューマン 交響曲第2番ハ長調作品61
モーツァルト ピアノ協奏曲第25番ハ長調K.503
ラフマニノフ 「パガニーニの主題による狂詩曲」作品43
ショパン バラード第3番変イ長調作品47
フォーレ レクイエム作品48
ハチャトゥリアン ヴァイオリン協奏曲ニ短調
モーツァルト 交響曲第41番「ジュピター」ハ長調K.551
リヒアルト・シュトラウス 交響詩「ドン・キホーテ」作品35
メンデルスゾーン ヴァイオリン協奏曲ホ短調作品64〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
旅するランナー
265
クラシック音楽のことも、そうだ、村上さんに聞いてみよう。ですけど、この本はとってもマニアック。村上さん保有のクラシックレコードの中から、楽曲ごとに複数枚セレクトし、個人的感想でもって紹介されます。音楽をレコードで聴かなくなった者にとっては、手の、いや、耳の届かない世界。メンコン・チャイコン、ソノリティー(音の響き方)などが理解できる方にはギリギリ共感できるレベル。僕も、ダヴィッド・オイストラフによるヴァイオリンの美声あたりは納得できます。クラシック音楽への敷居を高くしちゃうかなぁと心配です(個人的推測)。2022/01/05
starbro
244
私はハルキストでも村上主義者でもありませんが、村上春樹の新作をコンスタントに読んでいます。前回のTシャツ本と同じスタイルだと思い、書店を巡りましたが立読み出来る店は厳しく、漸く見つけて頁を捲ったら文章が長すぎて断念し、図書館に予約して読めました。著者はジャズのイメージが強く、こんなにクラシックに造詣が深く、幅広く聴いているとは思いませんでした。私は、クラシックは初心者なので、半分も理解していませんが、レコードのジャケットは複数枚ではなく、イチオシの1枚にした方が良かったと思います。7月は、本書で読了です。2021/07/31
美紀ちゃん
94
村上春樹さんの、おうちにあるLPレコードの内訳は、 ジャズが7割、 クラシックが2割、 ロック・ポピュラーが1割。 ジャケットが小澤征爾さんのやつがたくさんあって、若い。 とにかくたくさんのレコード。村上春樹さんのクラシックレコードに対する愛情を感じた。 私はApple musicのサブスクで音楽を聴いている。 検索すると出てくるので 聴きながら読んだ。 邦楽ロックが好きだが、 たまにはクラシックもいいなぁと思う。 2021/10/25
たいぱぱ
85
会社の休憩室で洋楽ファンの同僚と音楽の話で盛り上がってると、他の同僚から「たいぱぱさん達が何言ってるのか?さっぱりわからない」と言われたことがありますが、まさにそんな一冊(笑)。ド素人の僕には指揮者で音楽が変わるってのが不思議です。ビートルズの歌をメタリカの演奏でサラ・ブライトマンが歌うようなもんなんだろうか?CDのプラスチックケースを眺めていても幸福な気持ちになれない。インターネット関連など語るまでもない。古いLPレコードにはオーラがあると序文で語られていますが、それはめちゃくちゃわかりますよ!2021/11/18
ジョンノレン
61
コメントは独特な春樹節かと思いきや、実に謙虚でオーソドックス。ごく自然に指揮者、オケ、演奏家の印象を評していて好感が持てた。参考までにyoutubeで聴き比べを試みたけど、オケ違い時期違い多数。とはいえ様々な演奏をこの本に沿って楽しめた。R.シュトラウス、シュワルツコップな四つの最後の歌はピッタリ意見一致。ケンペのドンファンは超早R。薔薇の騎士が外れていたのは寂しい。モーツァルトのピアノ協奏曲23番や四重奏曲「不協和音」も。特に23番の2楽章聴き比べお勧めなんだけど。成り行きで集めた中からの選曲の由。2022/12/25